ブルーベリーの放射能汚染

こんな記事が届きました。

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再来!食卓のチェルノブイリ  ブルーベリーの放射能汚染

●市民による放射能測定
小金井市では1986年のチェルノブイリ原発事故を背景とした市民運動の盛り上がりの中で、食品の放射能測定を求める陳情を議会が採択し1990年に市が放射能測定器を購入しました。以来足かけ20年間、市民による「放射能測定器運営連絡協議会」が食品に含まれる放射能を測定しています。

●ブルーベリー製品から高濃度放射能
私たちは毎年80件ほどの食材の測定をしていますが、昨年度はブルーベリーワインからのセシウム検出をきっかけに、ブルーベリー製品24検体を測定しました。その結果、12検体から10ベクレルを超えるセシウム(最高52ベクレル)が検出されました。今年に入ってブルーベリーコンポート2件から100ベクレルを超える高い値も検出されました。身近なお店で入手できる食品、それも最近安売りされている銘柄から複数の高い値が出ています。
一方、昨年8月、ブルーベリー果汁から490ベクレルが検出され輸入規制の対象となっていたことが、厚労省のホームページで公表されていました。さらに12月には、都内検査機関の抜き取り検査によって、ブルーベリージャムから500ベクレルが検出され、横浜の輸入業者が市内他、東京、青森、石川のスーパーから356個の製品の回収を命じられています。いずれも高すぎる国の輸入規制基準370ベクレルをも大きく上回る数値です。
 
●国もベリー類加工品の検査を強化
この2件の結果を受けて、厚労省の医薬食品局食品安全部監視安全課は昨年12月、各検疫所長に対して検査強化の指導をしています。「旧ソ連原子力発電所事故に係る輸入食品の監視指導について」を改正し、検査対象に「ポーランド、ウクライナ及びスウェーデンから輸入される『ベリー類濃縮加工品』の全ロット検査」を追加したのです。ちなみに、昨年はきのこ3件も規制対象となり、ヨーロッパ地域から輸入される『きのこ及びきのこ乾製品』『トナカイ肉』も全ロット検査の対象になっています。
ただし「全ロット検査」とは、ロットの単位が例え数万個でも、そのうち1個の抜き取り検査であるため、強化と言えるかは疑問との指摘もあります。

●知らされない原発のリスク
 チェルノブイリ原発事故で放出された放射性セシウムの半減期は30年で、ヨーロッパではいまだに高濃度の汚染地域があります。近頃のブルーベリーブームで、それらの地域のものが出回っているのではないか、あるいは栽培に必須のピートモスに、この地域の高濃度汚染のものが使われているのではないかと推測することができます。
事故から24年が経とうとするなか、放射能汚染食品は再び遠く離れた私たちの食卓にまで登場しようとしています。ところが、これらの情報はほとんど報道もされず、問題にされ難くなっています。地球温暖化防止を口実に原発を増設しようという動きもあるいま、その未来にはどんなリスクが伴うのか、ブルーベリーが教えてくれようとしています。

漢人明子
(小金井市放射能測定器運営連絡協議会)
「非核ネットワーク通信」138号掲載記事

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