エクアドル・インタグコーヒーの産地に関わる情報をお届けします
インタグのリーダーであるカルロス・ソリージャさんとマルシア・ラミーレスさんがカナダを訪問して、鉱山開発の問題点を広く知らせる活動をすること。株式取引所と鉱山開発会社を相手に訴訟を起こす行動に出たとのことです。
カルロス・ソリージャ訪問
2007年10月にスタッフの後藤彰がインタグ地方を訪問し、カルロス・ソリージャ氏に会ってきました。
ソリージャさんはインタグコーヒーの生産組合AACRIや鉱山開発を食い止めるためにDECOINという環境団体を立ち上げたりしてきたインタグの中心人物。
今回、鉱山開発会社が撤退することになったのも、鉱山開発にまつわる問題や大規模開発の代替案としての森林農法コーヒーや女性の手工芸品、エコツアーの提案などをソリージャさんが地道にしてきたからでもあります。
のどかな営み、ゆっくりした時間が流れる
インタグ地方の中心地であるアプエラの町から車で約2時間半、起伏ある未舗装の悪路を進むと、フニン村の入り口に到着する。そこには、日本のNGOナマケモノ倶楽部の資金援助によりつくられた「カバーニャ」と呼ばれる宿泊施設がある。竹をふんだんに使った2階建ての建物で、涼しげな外観となっている。
コンポストトイレもあり、排泄物も無駄なく堆肥としてリサイクルされている。この宿泊施設に電気は通じておらず、木の葉の揺れる音や鳥のさえずり、そして夜は闇夜に輝く星を満喫できる。インタグのエコツーリズムの拠点でもある「カバーニャ」は、訪れる人が日常に無い何かを感じ取れる空間となっている。
続きを読む 『のどかな営み、ゆっくりした時間が流れる』インタグ地方、鉱山開発への抵抗
AACRI(インタグ有機コーヒー生産者組合)の本部のあるアプエラを離れ、鉱山問題の中心地でもあるフニン村へ向かう。アプエラの郊外には、小さいながらもアフリカ系住民の住む地区が広がる。人種構成も多様な国の一面が覗く、興味深い移動であった。
未舗装の道路を1時間半も進むと、道路脇に小さな家が見えてくる。一方は豊かな緑色をした山肌がせまり、反対側には水量の豊かな小川が流れる。その中に見える一軒が、鉱山開発運動の先頭に立つ、ポリビオ・ペレス氏の家である。普段は忙しいながら偶然にも在宅で、ポリビオ氏を交えて少しばかりの会話を楽しむことができた。
続きを読む 『インタグ地方、鉱山開発への抵抗』インタグ地方、フニン村のコーヒー生産者
ハビエルさんには4人の子供がいる。ブライアン、フレディ、アンデルソン、エベ リン。そして、妻の名前は、イレアナという。結婚して以降、9年間、フニンに住んでいる。ハビエルさんがコーヒーを栽培するようになって5年の歳月が流れる。コーヒーの種を発芽させて、苗が20cmぐらいになってから、森のなかに植えていき、少しずつ収穫量を増やしていった。
続きを読む 『インタグ地方、フニン村のコーヒー生産者』インタグの森を歩いて
AACRI(インタグ有機コーヒー生産者協会)の好意で雲霧林の中を案内してもらった。自動車で1時間程の道は再び高度を上げて行くが、町から離れてもその道中には点々と組合員の家が点在している。周囲に商店も公共交通機関もなさそうな場所に、インタグの農民の営みとインタグコーヒーの木々が植えられている。こうした家々に挨拶がてら立ち寄り、組合員同士が言葉を交わしながら先へと進む。組合員は家族ぐるみの付き合いがある様子で、大家族ではあっても皆が顔見知りで、お互いを気遣う言葉をかけて近況を伝え合っている。
続きを読む 『インタグの森を歩いて』森林農業の森に息づく知恵と工夫
AACRI(インタグ有機コーヒー生産者協会)の招きで、アプエラの郊外に農場を持つ生産者、アンヘル・ゴメスさんの農場を訪ねる。農場までの道も、やはり舗装はされておらず、水量の多い川沿いを進んで行った。途中、大きく斜面の崩れた谷底を通る。その場所は、政府が道路建設を進めた場所らしく、山の上から何ら配慮することなく土砂を捨て始めたとのこと。結局、住民の抗議で道路建設は中止となったが、山肌が土砂に覆われてしまっていた。川沿いの道をさらに車で進むと、「ここからは歩いて行く」と言う。水量の多い川には1本の縄橋が架かっており、「2人以上は同時に渡らないように」と念押しされて、向こう岸にたどり着く。アンヘルさんの農場へは、そこから山の斜面を登りきった所にあった。
コーヒーを育む雲霧林への誘い
エクアドルの首都であるキトから車で2時間、コタカチ郡のアウキ知事も住むコタカチ市に到着する。コタカチ市は聖堂を中心に広がる小さな町で、住民の多くは先住民である。女性の多くは白のブラウスに黒のスカートを基調とする民族衣装姿で、男性の多くは、長い髪を1本の三つ編みでまとめている。
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