ガレキを焼却せず、瓦礫を活かして「森の防潮堤」をつくる「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を市民が応援する運動が始まりました。この運動が全国に広がり、国民運動に展開されていくことを願っています。
東北の海岸線に南北300~400キロ、幅30~100mほどの鎮守の森を再生できれば、緑の防波堤となるだけでなく鎮魂の場にもなり、後世の人々が緑を満喫できる自然公園にもなります。
世界にも例がない「凄い森づくり」に対して、東北の本当の復興を願う人々からの支援が日本全国から集まるはずです。さらに、世界からの支援も集まることでしょう。壮大な「森の防波堤・森の長城」は、観光資源にもなります。5年、10年と森が成長するほどに観光客が集まってくるでしょう。
「防波堤の森」は、植林して年数が経つほど生物多様性が豊かになり、20年後には、日本全国、世界各国から訪問者が増えるでしょう。大震災の瓦礫を活かして「森の長城」をつくり上げた人々の偉業は、人間の智慧と森の素晴らしさを学ぼうとする人々が集まる「聖地」となり、いずれは、世界遺産になるでしょう。
このプロジェクトを立案した宮脇昭さんは今年84歳。これまでに日本国内各地やアジア、南米、アフリカなど1700ヵ所以上で植林活動を行い、 約4000万本の木を植えてきた「日本の宝」ともいえる人です。政治家をはじめ日本人はもっと宮脇さんの声に耳を傾けるべきでしょう。
(チラシの表面)
みんなで応援しよう「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」
震災ガレキは、
被災地の方々にとって、
その土地に息づいていた生活の形見です。
〜命の宿っていたところに、命を再生させる〜
今こそ、瓦礫の山から、未来へ伝えるいのちの森を。
それは、津波から人びとを守る「森の防波堤・防潮堤」です。
昨年5月から南相馬市の桜井市長も要望し続けてきた、
震災によって生じたガレキを、復興の第一歩である防潮林の土台に
再利用しようというプロジェクトが、大きく立ち上がりました。
宮城県岩沼市や、岩手県大槌町では既に始まっています。
「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」
理事長・細川護熙元首相
副理事長・宮脇昭・横浜国立大名誉教授(植物生態学)
理事・秋元康(作詞家)、ロバート・キャンベル(東京大教授)
佐藤可士和(アートディレクター)他
評議員・倉本聰(脚本家)
■9000万本の苗木を栽培し被災地の沿岸部で防波堤づくりを。
1口500円の寄付に協力しましょう!
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<ダウンロード用 データ↓>
森の長城 チラシ表面(カラー)
森の長城 チラシ表面(白黒)
森の長城 チラシ裏面(白黒)↓
◆震災がれきを活用、東北に「森の防波堤」を 横国大の宮脇氏に聞く
(2012/2/1 日本経済新聞)から抜粋
――震災がれきを活用した「森の防波堤」とは。
「震災で生じたがれきのほとんどは、家屋などに使われていた廃木材やコンクリートだ。これらはもともと自然が生み出したエコロジカルな『地球資源』だ。捨てたり焼いたりしないで有効に活用すべきだ」
「海岸部に穴を掘り、がれきと土を混ぜ、かまぼこ状のほっこりしたマウンド(土塁)を築く。そこに、その土地の本来の樹種である潜在自然植生の木を選んで苗を植えていけば、10~20年で防災・環境保全林が海岸に沿って生まれる。この森では個々の樹木は世代交代しても、森全体として9000年は長持ちする持続可能な生態系になる」
「将来再び巨大な津波が襲来しても、森は津波のエネルギーを吸収する。東北地方の潜在自然植生であるタブノキやカシ、シイ類などは根が真っすぐに 深く地下に入る直根性・深根性の木であるため容易に倒れず波砕効果を持つ。背後の市街地の被害を和らげ、引き波に対してはフェンスとなって海に流される人命を救うこともできる」
「東北の海岸線に南北300~400キロ、幅30~100メートルほどの鎮守の森を再生できれば、緑の防波堤となるだけでなく、鎮魂の場にもなり、後世の人々が緑を満喫できる自然公園にもなる」
――がれきを使うことに問題はないのですか。
「がれきを使うことにこそ意味がある。根が浅いマツなどと違って常緑広葉樹は根が深く地中に入る。根は息をしており,生育には土壌の通気性が大事だ。土とがれきを混ぜることで通気性のよい土になる。木材など有機性の廃棄物はゆっくり分解し樹木の養分となる」
「がれきを利用した復興の事例はたくさんある。第2次世界大戦後の復興でドイツやオランダでは公園づくりにがれきを利用した。身近な例では横浜の山下公園は関東大震災のがれきを埋め立てて復興のシンボルにした」
――潜在自然植生の森なら、丈夫で長持ちするということですか。
「世界各地で植樹活動をしてきたが、世界は日本をじっと見つめている。大災害からどのように立ち直るのか、日本人の力を見定めようとしている。日本人は6000年にわたって守り続けてきた鎮守の森の知恵を生かし、9000年はもつ本物の命の森をつくり、二度と津波で多くの人命が失われないようにしなければならない。世界にも例がない先見的な試みをやってのけたときに、世界の人たちは『さすが日本人』と言うに違いない」
今年84歳の宮脇昭さんは、これまで日本国内各地や中国、インドネシア、ブラジル、アフリカなど1700ヵ所以上で植林活動を行い、 約4000万本の木を植えてきました。(毎日出版文化賞、朝日賞、紫綬褒章、瑞宝章 、ブループラネット賞など多数受賞)
宮脇さんが昨年4月に提唱した「森の長城プロジェクト」という優れたアイデアは、東北の人たちが最も恐れている津波から人びとを守る「森の防波堤」をつくるために、東北の人々の思いがこもった大切なガレキを焼却したり、捨てたりせず、逆にそれを東北を守るための「森の土台」として活かすという取り組みです。この「森の長城」は、震災で犠牲となった方々の鎮魂にもなるはずです。
南北300~400キロほどの植林用のマウンド(土塁)を築く費用、9000万本の苗木代など多額の費用がかかりますが、例えば、ガレキの広域処理をやめて地元処理にするだけで、1兆円の予算が半額の5000億円で足りるとも言われています。そうすると残りの5000億円を「森の防波堤」づくりに活用できます。
世界にも例がない「凄い森づくり」に対して、東北の復興を願う日本全国からの支援が集まるはずです。さらに、世界からの支援も集まることでしょう。また、南北300~400kmの壮大な「森の長城」は、植林や苗木の生育段階から観光資源となり、5年10年と森が成長するほどに「壮大な森の長城」を見にくる観光客が日本全国、世界中から集まってくるでしょう。
20年経って、生物多様性が豊かになった森は、世界のエコロジー運動の中心地となり、大学や研究施設も集まってくることでしょう。そして、いずれは「森の長城・森の防波堤」は、世界遺産となることでしょう。
「絶対に起こらない」はずの原発事故を起こして、子どもたちや未来世代が生きていく環境を放射能で汚染してしまった私たち大人世代は、今、自分たち自身のことよりも子どもたちの未来を少しでも明るいものにするために、できるだけの努力をしたいと思います。
それが、子どもたちや未来世代からの信頼を取り戻す第一歩になると私たちは信じています。できるだけ多くの日本人と世界の人々が一緒にチャレンジしてくれることを願っています。
あなたも一緒に、できる範囲でこの取り組みに参加されませんか。
「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を応援する市民ネットワーク
(事務局)福岡県遠賀郡水巻町下二西3-7-16 ウィンドファーム内