重要論文 10ミリシーベルトでガンが増加(カナダ・マギル大学チーム)

低線量被曝がんリスクで重要論文:10ミリシーベルトでガンが有意増加
(カナダ・マギル大学チーム)Cancer risk significantly rises at dosage of 10 – 40 mSV: Research by McGill team
北海道深川病院の内科医、松崎道幸さんの翻訳・解説による重要論文を紹介します。(Thursday, November 03, 2011 Peace Philosophy Centre)

松崎医師:
この資料は、低線量被ばくでも有意にガンのリスクが増加することが示された論文を説明したものです。ご承知のように、日本政府は20mSvどころか、100mSvの被ばくでもガン(死亡率)を有意に増やすという証拠はないと主張して、被ばく限度を緩和することに何ら問題はないという態度をとってきました。

このモントリオールの学者チームの論文は、急性心筋梗塞で入院した10万人近くの方々が受けたエックス線検査の被ばく量と、その後5年間のガンの新規発病率を解析し、2011年3月にカナダ医師会雑誌に発表されたものです。

添付ファイルのグラフから一目瞭然のように、10mSvの被ばくでガンの発病率が有意に3%増加していました。20,30,40mSvでもそれぞれ6,9,12%有意に増加していました。100mSv以下の低線量被ばくでガンのリスクが有意に増えることは、様々な疫学調査で証明されてきましたが、この論文も、新たな証拠を付け加えるものと思います。

10mSvでがんリスクが3%増加:マギル低線量被曝論文

心臓の放射線検査でガンリスク増加:マギル低線量被曝論文

10mSv発がんリスク増加グラフ:3マギル低線量被曝論文

論文の意味1:4マギル低線量被曝論文

論文の意味2:5マギル低線量被曝論文

心筋梗塞患者平均被ばく量15mSv:6マギル低線量被曝論文


これまで松崎医師に翻訳・執筆等協力いただいた他の重要記事も併せてご覧ください。
◆IPPNW「チェルノブイリ健康被害」新報告と、首相官邸資料「チェルノブイリ事故との比較」との驚くべき相違

福島とチェルノブイリの原発事故の比較に関する首相官邸ホームページ専門家グループ解説の医学的疑問点

*転載の場合はこのページへのリンクを記し、全文転載をお願いします。また、以下の元の英語論文へのリンクも記してください。

CMAJ/JAMC
Cancer risk related to low-dose ionizing radiation from cardiac imaging in patients after acute myocardial infarction
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3050947/?tool=pubmed

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