事故評価 最悪のレベル7へ

NHKが12日未明に、「原子力安全・保安院は、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、国際的な基準に基づく事故の評価を、最悪の「レベル7」に引き上げることを決めた」と報道しました。

共同通信は、こう報じています。<東電の松本純一原子力・立地本部長代理は、放出が止まっていないことを踏まえ「放出量がチェルノブイリに匹敵する、もしくは超えるかもしれない懸念を持っている」>

海外の多くの専門家が3月下旬の段階から「レベル6以上」と表明していたにもかかわらず、経済産業省の原子力安全・保安院は「レベル5」をずっと変えようとしませんでした。なぜ、もっと早く事故の規模が大きいことを広く伝えて、少しでも多くの生命を守るように行動しないのか。なぜ、放射能の被害を大人以上に受ける子どもたちをできるだけ早く放射能から遠ざけて子どもを守らないのか、と憤りを感じていました。

ある人が、「選挙が終わるまで事故のレベルを上げることはしないだろう」と言っていましたが、その人の予想通り、選挙が終わったタイミングでレベル5からレベル7に変えることを保安院は公表しました。

選挙の結果は、都知事をはじめとして原発推進派の現職が多数当選しました。 
長く原子力発電を推進してきた政党や電力会社が喜ぶ結果になりました。

今、日本人は、子どもたちや未来世代のために「何が一番大事なのか」ということを市民ひとり一人が考え、市民自らが決めるという意志を持たなければならないと思います。

今の政治家に任せていたのでは、子どもたちのいのちを守ることはできないと思います。政治が脱原発という方向を示すことができない以上、私たちは国民投票という最後の手段を実行しなければならないと思います。

国民投票の実施に向けて、みんなで語り合うことから始めたいと思います。


事故評価 最悪のレベル7へ(NHK)
4月12日 4時12分

東京電力の福島第一原子力発電所で相次いで起きている事故について、経済産業省の原子力安全・保安院は、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、国際的な基準に基づく事故の評価を、最悪の「レベル7」に引き上げることを決めました。「レベル7」は、旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価になります。原子力安全・保安院は、12日、原子力安全委員会とともに記者会見し、評価の内容を公表することにしています。

原子力施設で起きた事故は、原子力安全・保安院が、国際的な評価基準のINES=国際原子力事象評価尺度に基づいて、その深刻さを、レベル0から7までの8段階で評価することになっています。原子力安全・保安院は、福島第一原発で相次いで起きている事故について、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、INESに基づく評価を、最悪のレベル7に引き上げることを決めました。原子力安全・保安院は、福島第一原発の1号機から3号機について、先月18日、32年前にアメリカで起きたスリーマイル島原発での事故と同じレベル5になると暫定的に評価していました。レベル7は、25年前の1986年に旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価になります。レベルが引き上げられる背景には、福島第一原発でこれまでに放出された放射性物質の量が、レベル7の基準に至ったためとみられますが、放射性のヨウ素131を、数十から数百京(けい)ベクレル放出したというチェルノブイリ原発事故に比べ、福島第一原発の放出量は少ないとされています。原子力安全・保安院は、12日、原子力安全委員会とともに記者会見し、評価の内容を公表することにしています。

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福島原発事故、最悪のレベル7 チェルノブイリと並ぶ (共同通信)

 経済産業省原子力安全・保安院は12日、東京電力福島第1原発事故の深刻度を国際評価尺度(INES)の暫定評価で、最悪の「レベル7」とすると発表した。これまで放出された放射性物質の量について、保安院は37万テラベクレル(テラは1兆)、原子力安全委員会は63万テラベクレルと推定。1~3号機の全体評価として、レベル7の基準である数万テラベクレルを大きく上回ったと判断した。

 レベル7は、史上最悪の原子力事故とされる旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じ。保安院によると、チェルノブイリでは推定で520万テラベクレルが放出された。保安院の西山英彦官房審議官は、これまでの放出量はその1割程度だとして「チェルノブイリとは相当異なる」と説明。だが東電の松本純一原子力・立地本部長代理は、放出が止まっていないことを踏まえ「放出量がチェルノブイリに匹敵する、もしくは超えるかもしれない懸念を持っている」とした。

 同原発は東日本大震災で、原子炉や使用済み燃料プールの冷却機能が失われて燃料が一部損傷したと考えられ、水素爆発なども起きている。国内で前例のない大量の放射性物質が放出された。原子力安全委は、相当部分は3月15日に2号機の圧力抑制プール付近で起きた爆発に伴い放出されたとみている。

 これまでの保安院の暫定評価はレベル5。保安院はレベル7にしたことで、現在の避難指示区域などを見直す必要はないとしている。

 西山審議官は今回の事故では、チェルノブイリのように死者は出ていないと指摘し「原子炉圧力容器や格納容器は多少の漏れがあるが、原形をとどめて働いている。チェルノブイリ原発のように原子炉で大規模、継続的な火災が発生しているわけではない」と説明。国の専門委員会で今後、レベルを正式決定する。

 枝野幸男官房長官は「周辺住民、国民、国際社会に申し訳ない」と述べた。東電は「事態を非常に重く受け止めている。原発周辺や県民の皆さまに大変な迷惑をかけ、深くおわびする」とした。

 原子力安全委は、福島第1原発から最大で毎時1万テラベクレルの放射性物質が放出され、数時間続いたと試算。放出量はすでに毎時1テラベクレル以下になったとみているが、原発の北西約60キロ、南南西約40キロで、3月12日~4月5日の積算外部被ばく放射線量が年間限度の1ミリシーベルトを超えるとも見積もっている。避難や屋内退避指示が出ている区域でも高い線量が示された。
2011/04/12 13:52 【共同通信】


韓国で「放射能雨」不安広がる、情報公開求めデモも

 [ソウル 12日 ロイター] 東京電力福島第1原子力発電所からの放射能漏れを世界が懸念するなか、韓国の首都ソウルでは12日、政府に対して「放射能雨」に関する情報を早急に公開するよう求めるデモが行われた。

 韓国では先週、一部の学校が放射性物質の混じった雨を懸念して臨時休校措置を取るなど、「放射能雨」に対する不安が広がっている。黄色いレインコート姿のデモ参加者らは、「呼吸するのも不安だ。放射能に関するすべての情報を明らかにせよ」と書かれたプラカードを掲げ、政府に情報公開を求めた。

 日本の経済産業省原子力安全・保安院はこの日、福島第1原発の事故について、国際評価尺度(INES)の暫定評価で最も深刻な「レベル7」に引き上げると発表した。「レベル7」はチェルノブイリ事故と同レベル。これまでは「レベル5」としていた。

 また、東京電力の幹部は同日の会見で、放射性物質の漏れは止められておらず、最終的な放射性物質の放出量はチェルノブイリを上回るかもしれないとの懸念を持っていると述べた。

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