菅直人首相は6日、定期検査中の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)3号機の運転再開を当面認めない意向を表明した。稼働中の4、5号機もいったん休止するよう中部電力に要請。浜岡原発は一時的に全面停止される。中部電力も受け入れる見通し。
浜岡原発は懸念されている東海地震の震源域に入っており、首相は東京電力福島第1原発事故を踏まえ、現行の津波対策や地震対策では不十分と判断。防潮堤の新設など巨大地震や津波を想定した中長期対策が実行されるまで、運転を止める考えを示した。
首相は「国民の安全、安心を考えた結果の判断だ」と指摘。現行の電力関連規制では、運転停止の指示や命令がはっきり規定されていないため、中部電力への要請という形にしたと説明した。「電力不足が生じないよう最大限努力する」とし、中部電力管内の企業や家庭に対し、節電努力を求めた。
海江田万里経済産業相は「計画停電という事態にはならないと思う」と話した。隣接地域に電力供給している関西電力に協力を要請したという。
浜岡原発は1号機から5号機まである。1、2号機は運転を終了し、廃炉にする予定。中部電力は、3号機に関しては7月にも稼働を再開したいとしていた。4、5号機は定期検査などの予定はなかった。
中部電力は夏の電力需要期を前に、火力発電所の増強などを迫られる。
2011/05/06 20:38 【共同通信】