あまりにも実態とかけ離れている政府の発表
「再度の流出、おわびしたい」 3号機汚染水漏れで枝野氏
(2011.5.12 12:08 産経)
枝野幸男官房長官は12日午前の記者会見で、東電福島第1原発3号機の取水口近くから高濃度の放射性物質を含む水が一時、海に流出していた問題について「再度、放射性物質が海に流れ込む結果となったのは大変遺憾だ。地元の方々や漁業関係者、近隣諸国に重ねておわび申し上げたい」と陳謝した。
汚染水は3号機のタービン建屋から漏れ出たとみられ、11日夕には止水作業で流出が止まった。枝野氏は「現在、放水口から30メートルくらい離れたところでは、濃度は高くなっているものの基準値の3倍程度にとどまっている。止水措置の効果なのか、時間の経過で高くなっていくのかをしっかり監視したい」と述べ、早急な原因調査を指示したことを明かした。
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汚染水また海へ流出 濃度10万倍 3号機立て坑付近(東京新聞)
東京電力は十一日、福島第一原発3号機の取水口近くの立て坑付近で高濃度の放射性物質を含んだ水が海へと流出したと発表した。東電の工事で水は同日中に止まったが、近くの海水の濃度は一時、周辺の千倍になった。高濃度汚染水の海洋流出は、四月上旬の2号機以来。
東電によると、立て坑の開口部は幅一・四メートル、奥行き一・一メートル。深さ二・四メートル。十一日昼に作業員がこの立て坑に水が流れ込んでいるのを見つけた。水位が上がっておらず、近くの海に漏れ出していると判断した。
立て坑内の水からは3号機タービン建屋地下の高濃度汚染水とほぼ同水準で、法令で定める海水の放射性物質の濃度限度の十万倍を検出。放射性物質別ではセシウム134が六十二万倍、同137が四十三万倍だった。
流出経路について東電は「建屋地下から地下のトンネルに汚染水が流れ込み、電線を通す直径十センチの管を十二本束ねた『電線管』を通じて立て坑に入った。立て坑に亀裂があり、海へ漏れ出た」と説明。2号機の時とほぼ同じとしている。
東電は立て坑側壁にある電線管の穴に布を詰め、立て坑をコンクリートで固めて水を止めた。経済産業省原子力安全・保安院は2号機に続いて3号機でも流出したことを重視。東電に再発防止を指示した。
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3号機取水口付近 基準の2万倍
5月12日 22時28分 NHK
東京電力福島第一原子力発電所周辺の環境調査で、11日、新たに汚染水の海への流出が分かった3号機の取水口付近の海水から、12日も基準の2万倍の放射性セシウムが検出され、そのほかの調査ポイントでも濃度の上昇が確認されました。東京電力は「引き続き監視を続けたい」としています。
東京電力によりますと、福島第一原発の3号機の取水口付近では、12日朝に採取した海水を分析した結果、1cc当たり、放射性のセシウム134が国の基準の2万倍に当たる1200ベクレル、放射性のセシウム137が基準の1万3000倍に当たる1200ベクレル検出されました。3号機の取水口付近では、11日、「ピット」と呼ばれる作業用の穴から高濃度の汚染水が海に流れ出ているのが見つかり、11日は同じ取水口付近で国の基準の3万2000倍のセシウム134が検出されていました。東京電力は、ピットをコンクリートで埋めるなどした結果、海への水の流出は止まったとしていますが、ほかに流出する経路がある可能性があり、「引き続き監視を続けたい」としています。また、先月2日に同じように「ピット」から高濃度の汚染水が流れ出ていた2号機の取水口付近では、放射性ヨウ素の濃度が、ここ数日は国の基準の120倍から170倍で推移していましたが、11日午後の調査では基準の1800倍、12日朝の調査では基準の780倍と高い値を記録し、3号機での汚染水の漏えいが影響しているものとみられます。このほか、沿岸の調査ポイントでは、1号機から4号機の放水口の南側330メートルで基準の2.8倍の放射性セシウムが検出されるなど、4か所のうち2か所で基準を上回りました。また、茨城県の沖合3キロの5か所のポイントで行われた調査では、放射性物質は検出されませんでした。一方、文部科学省が行った海底の土の調査では、今月5日に採取した、原発から45キロ南の深さ93メートルの海底の土から、セシウム137とセシウム134が、いずれも1キログラム当たり100ベクレル検出されました。海底の土に含まれる放射性物質の濃度を定めた国の基準はありませんが、文部科学省は「魚介類への影響の調査を継続して実施していく」としています。
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汚染水流出 原因は移送作業(NHK)
5月13日 5時3分 動画あり
東京電力福島第一原子力発電所の3号機の取水口付近で、高濃度の汚染水が海に流出した問題は、汚染水の移送作業に伴って、地下の管から水があふれ出たことが原因と分かり、東京電力の対応が改めて問われています。
この問題は、11日、福島第一原発の3号機の取水口付近で、「ピット」と呼ばれる作業用の穴から高濃度の汚染水が海に流出していたもので、流出を止める工事が行われました。東京電力によりますと、今月8日から10日にかけて、3号機のタービン建屋内の施設にたまった汚染水およそ1000トンを地下に移す作業を行いましたが、これに伴って水位が6センチ上がったため、地下で「ピット」につながる管からあふれ出たことが原因と分かりました。これについて、東京電力は12日の記者会見で、「汚染水が漏れ出ないかの事前の検討が不十分だった」と、作業計画の不備を認めました。ピットを巡っては、2号機でも先月、高濃度の汚染水が海に流出したため、水を止める工事が行われていて、東京電力は、2号機と3号機以外のピットについても、今月末をめどに、流出を未然に防ぐ工事を終えることにしています。2号機に続いて高濃度の汚染水の流出が起きただけでなく、作業計画の不備が原因となったことで、東京電力の対応が改めて問われています。