1号機建屋で毎時4000ミリシーベルトの放射線 福島第1 配管から湯気
(2011/6/4 12:03 日本経済新聞)
東京電力は4日午前、福島第1原子力発電所1号機の原子炉建屋で1時間あたり4000ミリシーベルトと非常に高い放射線量を確認したと発表した。作業員の被曝(ひばく)限度量である250ミリシーベルトの16倍に相当し、同原発で測った空間線量としては最高という。また、配管が貫通する床の隙間から湯気が立ち上っていることも発見した。東電はさらに詳しく調べ状況把握に努める。
高い線量を確認したのは1階の南東角付近。3日にロボットで調べた。同建屋では5月13日に2000ミリシーベルトの放射線量を測定していたが、それを上回った。東電は線量が高い領域は限定的なので復旧に向けた作業に大きな影響を及ぼすことはないと説明している。
また、同じ南東角付近では湯気も確認した。東電によると、湯気は配管が損傷して発生しているのではなく、地下の圧力抑制室の損傷部分から漏れ出たセ氏50度程度の水に由来するものという。高い放射線量の原因になっている可能性がある。
一方、東電は3日、同建屋に圧力計を設置した。炉内の温度を正確に測れるようになる。
(2011年6月4日 東京新聞夕刊)
福島第一原発の事故で、東京電力は四日、1号機原子炉建屋一階の放射線量をロボットで調べた結果、南東部で局所的に最大毎時四〇〇〇ミリシーベルトの放射線量を計測したと発表した。
大震災発生時、運転中だった1?3号機の原子炉建屋内で計測された放射線量の最高値。ロボットが撮影したビデオ映像によると、この地点には地下一階の圧力抑制室につながる管があり、管と床の接合部分から湯気が立ち上っているのが確認された。
東電は「圧力抑制室内の水の温度は約五〇度あり、原子炉から漏れた高濃度の放射能汚染水がたまっている。この汚染水から湯気が発生して、床と配管の接合部の劣化部分から立ち上っている」と説明し、湯気に高い放射線量が含まれているとの見方を示した。
同じ地点を五月十三日にロボットが測定した際は、毎時二〇〇〇ミリシーベルトを計測したため、今回、東電が詳しく調査した。
東電によると、この地点は、今後計画されている原子炉の循環冷却に向けた作業では立ち入らない場所で、作業に直接的な影響はないという。