郡山市民が原告となって「被ばくのおそれがある学校から生徒の疎開を求める」仮処分裁判が提訴されました。代理人の1人は、金沢地裁の裁判長として、志賀原発差止の判決を下した井戸謙一さんです。
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放射線懸念 「学校疎開」求め申し立て (TBSニュース)
(数日間は動画=テレビ報道=を見られるでしょう)
「被ばくのおそれがある学校から生徒の疎開を求める」、そんな申し立てが24日、裁判所に行われました。原発事故で子どもを集団疎開させるべきか、司法の判断を求める初めてのケースです。
「今、行政は速やかに学校ごと疎開するという決断をすべきであると考えます。未来を見据えて、放射能の迫害から子どもたちの生命・健康を守ることを最優先の課題とすべき緊急事態なのであり、この点をご理解いただきたいと思います」(井戸謙一弁護士)
福島県郡山市で申し立てられた異例の仮処分申請。それは、「子どもたちを学校ごと疎開させてほしい」。市が求められたのは“集団疎開”。申し立てたのは市内7つの小中学校に通う児童・生徒14人と、その親たちです。
Q.今回、何を求めたか?
「子どもの安全です。安心ではなく安全。国も県も市も守ってくれないんだったら、今、声を上げないと・・・子どもたちを守ってほしい」(原告の1人)
申立書によれば、14人の通学先は事故からおよそ2か月で放射線量が3.8~6.67ミリシーベルトに上るということです。文部科学省が定めた年間の目標値1ミリシーベルトを上回ります。
「子どもたちを守るためには、外部被ばくおよび内部被ばくを抜本的に改善した新たな環境を子どもたちに提供するしか方法はない」(井戸謙一弁護士)
申立書は「子どもたちがガン・白血病の発症により生命・身体・健康が損なわれる危険性がある」と指摘。「集団疎開措置を施さない限り、この事態は解決できない」などと主張しています。
「子どもたちを学校に行かせてしまったのは、戦地に子どもを送るような気持ちと同じ。どんな健康被害があるか分からないのに、毎日送り出す親の気持ち、国や政府は分からないのか。現実に住んでいる人しか分からない温度差があるのか」(原告の1人)
福島県郡山市では4月から、比較的、放射線量の高い60を超える小中学校で、校庭の表面の土を除去するなど、線量を下げる措置をとっています。
「より安心に運動できるような学校の環境を作ることが、われわれ大人にできる最大の仕事の一つ」(原正夫郡山市長 4月27日)
今回の申し立てについて、郡山市は「内容を把握していないので現時点ではコメントできない」としています。
一方で、子どもを送り出す親の不安は収まりません。
「現実を突きつけられたとき、『夢であってほしい』と、毎朝、起きるときに思っていました。誰も助けてくれない。誰も守るって言ってくれなかった。自分たちが動くしかない」(原告の1人)
子どもの“集団疎開”を求める初の申し立て。広がる不安の中で、司法はどんな判断を下すのでしょうか。(24日23:56)
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学校疎開求め仮処分申し立て 郡山市の児童生徒14人 (北海道新聞)
(06/24 15:34、06/24 18:27 更新)
福島第1原発事故で放射線被害の恐れが強いとして、福島県郡山市の児童生徒14人が24日、市に学校ごと疎開する措置を求め、福島地裁郡山支部に仮処分を申し立てた。
文部科学省は、福島県の小中学校などで年間の積算被ばく線量が20ミリシーベルトとなる放射線量を屋外活動制限の基準値として示したが、保護者らが強く反発。児童や生徒らが学校で浴びる放射線量について「年1ミリシーベルト以下を目指す」との目標を示し直している。
申立書によると、14人の通学先の積算放射線量は、爆発事故があった3月12日からの75日間だけで3・8~6・67ミリシーベルト。
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【原発】線量低い場での教育求め仮処分申請 福島 (テレ朝NEWS)
(06/25 00:10)
放射性物質によって健康に被害を受けるとして、郡山市の小中学生が放射線量の低い場所で教育を受けることを求め、福島地裁郡山支部に仮処分を申請しました。
仮処分を申請したのは、市内の小中学校に通う児童と生徒14人です。弁護人によりますと、国は、子供の被ばく量について年間1ミリシーベルト以下を目指すとしていますが、県などの調査で、子供たちが通う学校ではそれを超える放射線量が測定されていることから、郡山市に対して年間の放射線量が1ミリシーベルト以下になる場所で教育を受けさせるよう求めています。これに対し、郡山市は「内容を把握していないので、現段階ではコメントを控える」としています。