福島市、西部へ住民移転計画…道路・公園も整備
特集 福島原発
福島市は、放射線測定値の高い市東部から低い西部に住民を移すことを目指す復興計画を策定する方針を固めた。
市営住宅を西部の郊外に整備し、併せて道路や公園などの整備も進める考え。東京電力福島第一原発事故以来の住民の不安を受け、市は被曝(ひばく)軽減につなげたいと期待するが、土地利用の法規制などがあるため、規制緩和を国に求めていく方針だ。
15日の市災害対策本部会議で、瀬戸孝則市長が明らかにした。住民移転策を盛り込んだ復興計画は、有識者らでつくる検討委員会に素案を作成してもらい、年内に策定する。
市によると、東北自動車道より西側の放射線測定値が低い地域で公営住宅を整備し、放射線測定値の高い渡利地区など東部の住民の移転先とする。ただ、西部方面はほとんどが、市街化調整区域で、ビルなど商業施設や住宅団地を整備するのは難しい。また、地震など被災者向けの公営住宅を整備する際、国から補助は優遇されるが、現行法は放射線被害を想定していない。このため、市は特区の適用などを国に求めていく。
(2011年7月16日03時03分 読売新聞)