エネルギー庁“賛成意見 望ましい”
(8月21日 13時5分 NHK)
九州電力の、いわゆるメール問題で、経済産業省の資源エネルギー庁の担当者が、ことし6月に開かれた玄海原子力発電所の運転再開を巡る説明会の前に、九州電力に対し「説明会では運転再開に賛成する意見があったほうが望ましい」と伝えていたことが分かりました。
この問題は、佐賀県にある玄海原発の2号機と3号機の運転再開に向けて、ことし6月、国主催の説明会が開かれる前、九州電力が原発の運転再開に賛成する意見を説明会に送るよう、社内や子会社にメールなどで指示していたものです。九州電力の関係者によりますと、国の説明会の前に、資源エネルギー庁の担当者が、東京都内で九州電力に対し、「説明会では、運転再開に賛成する意見があったほうが望ましい」と伝えていたことが分かりました。九州電力のメール問題を巡っては、佐賀県の古川知事が、説明会の前に九州電力の幹部と面会し「原発の運転再開を容認する意見を出すことも必要だ」と伝え、その後、賛成意見を求めるメールが社員などに出されていますが、資源エネルギー庁の担当者の発言は、メールが出された日より、あとだということです。九州電力は、資源エネルギー庁の担当者の発言が賛成意見の投稿を後押しした可能性もあるとして、経済産業省が設けた第三者委員会に報告したということです。
九州電力の「やらせメール」問題に絡み、経済産業省資源エネルギー庁の担当者が九電に対し、佐賀・玄海原発の再稼働に向けて同省が主催した6月26日の県民説明番組に、再稼働賛成の意見を投稿するよう要請していたことが20日、同社関係者への取材で分かった。
やらせメール問題で、九電への国の働き掛けが明らかになったのは初めて。福島第1原発事故後も、九電と国が一体となって原発再開を推進していたことが浮き彫りになった。九電は、同省が設置した第三者委員会に18日提出した報告書に、こうした経緯を盛り込んだ。
2011/08/21 00:14 【共同通信】
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九州電力:原発やらせメール エネ庁も投稿要請 05年以降、説明会すべて国関与
九州電力の玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働を巡る「やらせメール問題」で、経済産業省資源エネルギー庁の担当者が、国主催の説明番組への賛成意見投稿を九電側に要請していたことが20日、分かった。九電の原発を巡る国主催の説明会としては、05年以降に開かれたすべてで、国の関与があったことになり、九電は同省の第三者委員会に報告した。
説明番組は6月26日にあり、関係者によると、番組の数日前の打ち合わせで、エネ庁担当者から「原発再稼働への容認意見が投稿されることが望ましい」という趣旨の発言があったという。番組には589件の投稿があり、うち賛成意見は286件。九電関係者の投稿は141件に上った。
この打ち合わせは、九電幹部の指示で、同社の原子力発電本部の課長級社員が社内外に投稿を要請するメールを送信した後にあったため、九電は「国の要請が番組に直接影響があったわけではない」としている。
第三者委員会への報告書は18日に提出され、このほか▽05年10月の玄海原発3号機のプルサーマル発電計画についてのシンポジウムで、経産省原子力安全・保安院から▽昨年5月の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)3号機増設計画についての第1次公開ヒアリングで、エネ庁からーーいずれも動員要請があったことが盛り込まれた。【石戸久代】
毎日新聞 2011年8月21日 東京朝刊