政府が原子力コスト試算案 1キロワット時16~20円
(電気新聞 2011/08/23)
原子力のコストが1キロワット時当たり16~20円程度との試算案が政府内でまとめられたことが明らかになった。一部経済誌の試算を参照して使用済み燃料の再処理などバックエンド費用を74兆円と仮定し、国から投入される立地費用と技術開発補助金、賠償費用を加えると、従来の政府試算の5円強を大幅に上回る単価になるとしている。政府の「エネルギー・環境会議」は、原子力コストの算出などのために「コスト等試算・検討委員会」(仮称)を9月に立ち上げ、報告書を11月に公表する予定。同委員会内の議論にあたっては、今回の試算案が一定の材料となる可能性もある。
試算案では、地球環境産業技術研究機構(RITE)の秋元圭吾氏や立命館大の大島堅一教授がまとめた試算を活用。バックエンド費用が74兆円との前提を置くと、発電費用、バックエンド費用などの合計は秋元氏の試算の場合で10~15円程度、大島教授の試算の場合で約13円になるとしている。そこに立地費用と技術開発補助金の約2円を加算。賠償などのリスク費用を3円強と想定し、すべて足し合わせた場合の原子力コストは15.8~20.2円になるとの結論を導き出している。 (本紙1面より)