プルトニウム4種類合計で、1兆2254億ベクレル 大気中に大量放出

9月8日に「プルトニウム239だけで32億ベクレルも大気中に放出している」と書いたが、Pu-239以外のプルトニウムも確認してみたところ(下に表を添付) 驚くべき数値が記載されていた。

6月6日の記者会見で配布された資料の中に「3月16日までに大気中に」放出された放射性物質の種類と量を保安院が試算している。31種類の放出された核種の中に4種類のプルトニウムがあり、その放出量が記載されている。

プルトニウム239が3.2×10の9乗=32億ベクレル
プルトニウム240が3.2×10の9乗=32億ベクレル
プルトニウム238が1.9×10の10乗=190億ベクレル
プルトニウム241が1.2×10の12乗=1兆2000億ベクレル

合計すると1兆2254億ベクレル

以前(6月5日)NHKなどが、プルトニウムの検出を小さく報道したが、ほとんど注目されなかった。

原発敷地外からプルトニウム検出(6月5日NHKニュース) 

ごく微量のプルトニウムが検出されたのは、福島第一原発の正門から西におよそ1.7キロの大熊町の道路脇で採取した土です。NHKの番組取材で、北海道大学の木村真三非常勤講師らが警戒区域に設定される前の日の4月21日に採取し、金沢大学低レベル放射能実験施設に分析を依頼していました。その結果、3種類のプルトニウムがごく微量検出され、このうち多かったプルトニウム239と240は、1キログラム当たり、合わせて0.078ベクレルの濃度だったということです。これは過去の核実験で国内に降ったプルトニウムと同じレベルですが、3種類のプルトニウムの割合が異なることから、原発から放出された可能性が高いとしています。

2011.6.6 原発敷地外からプルトニウム検出(6月6日NHKあさイチ)から書き起こし抜粋

(ナレーション)住宅地から見つかった原発由来のプルトニウム、このことは、どのような意味を持つのでしょうか。核化学者の古川路明さんは、ある可能性を指摘します。「プルトニウムがあるということは、他の多くの種類の放射性物質が飛び出していることを示していると思います。核燃料の中に入っている、極端に言えば、すべてのもの、核燃料自体のウラン、プルトニウムは出てるわけですね。だから、核燃料の中に入っているものが何でも出て、その中でプルトニウムがつかまっている。他のものも、きっと出てくると思います


プルトニウム排出する薬剤承認へ 厚労省部会
(2011年6月2日0時9分 朝日新聞)

 体に入った放射性物質を排出させる薬剤2品が、7月にも医薬品として承認される見通しになった。1日開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会で、意見がまとまった。

 2剤は「ジトリペンタートカル」(販売名)と「アエントリペンタート」(同)。どちらも主に点滴薬として使われ、日本メジフィジックス社(東京都)が輸入販売する。

 厚労省によると、原発事故などで放射性物質を大量に吸い込んだり、傷口から入り込んだりしてしまった時に使われる。プルトニウムなどを尿から体外に出す効果が認められているという。2010年10月時点で、米独仏の3カ国で承認されている。

 放射性物質の除去剤で国内で承認されているのは放射性セシウム用の「ラディオガルダーゼ」がある。

・・・
※6月1日時点でプルトニウム排出薬剤を承認する方向で意見がまとまったことに注目したい。もう一つ注目すべきことは、このプルトニウム排出薬剤を輸入する日本メジフィジックス社の出資比率50%を占めるのは「GEヘルスケア」という会社で、ゼネラル・エレクトリック社の構成企業の一社である。事故を起こした福島第1原発の原子炉は、ゼネラル・エレクトリック社製の「マーク1型」である。


<各プルトニウムの半減期>
プルトニウム238は、87.7年
プルトニウム239は、24065年
プルトニウム240は、6537年
プルトニウム241は、14.4年

※プルトニウム239の場合は、24000年で半減、48000年で25%に減り、半減期の10倍の時間がたつと約1000分の1に減る。つまり、24万年後の世代にも320万ベクレルのプルトニウム239を残すことになる。


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