埼玉
震災がれき「受け入れ困難」全市町村知事「国の説明が悪い」
東日本大震災で被災地に大量に発生したがれきの処理問題で、県内全63市町村と20のごみ処理組合が、環境省に対し、「受け入れは困難」と10月に回答していたことがわかった。上田知事が7日の記者会見で、県の調査結果として明らかにした。上田知事は、がれき処理に責任を持つ国の情報提供と世論形成が不十分だと強調。「住民の反発が強い中で説得しても、理解が得られない」と述べた。
県資源循環推進課によると、具体的な検討にさえ入っていない市町村が大半で、受け入れない理由として、「がれきが放射性物質に汚染されている可能性がある」という内容が多いという。
上田知事は、「宮城、岩手両県のがれきは放射性廃棄物ではないと、国は説明しなくてはいけない。国の説明が悪く、がれきの受け入れで放射性物質が飛散するようなイメージができてしまった」とし、国による広報など、周知に向けた一層の努力が必要だとの考えを強調した。県として、市町村への受け入れに向けた働きかけは、当面行わない方針だ。
市町村とごみ処理組合から環境省への回答は、10月28日締め切りで行われた。
(2011年11月8日 読売新聞)