止まらない人口減 液状化、ホットスポット影響か 千葉県
(2012.4.26 21:50 産経ニュース)
千葉県は26日、増加傾向にあった県人口が昨年1年間で1万人以上減少し、さらに今年に入って3カ月間で、ほぼ同数が減ったとする推移状況を発表した。県は東日本大震災による液状化や原発事故で周辺地域より放射線量が高い「ホットスポット」が生じたことなどが影響していると推測。県は「人口減は経済の活力低下を招く恐れがある」として、要因を分析し対策を立てるための検討会議を同日設置した。
県によると、県人口が減ったのは、記録に残っている範囲で昭和24年に次いで2回目。平成22年に初めて620万人台に到達したが今年に入って割り込み、4月1日時点で約619万5000人となった。
例年3、4月は転入者が多いため人口が大きく増え、それぞれの増加幅は4000~1万人超に上っていた。だが、昨年は3月が819人、4月が2078人と増加幅が縮小。その後は5月から今年3月まで全ての月で減少に転じた。特に今年に入ってから減少幅が拡大し、3月には5000人以上が減った。
地域別でみても県内全域で人口が減少。特に毎年高いペースで人口が増えていた東葛飾、葛南両地域の減少が顕著で、主に両地域で液状化やホットスポットが生じたことから、住民の流出が進んだとみられる。
県は「ある程度は減少を予測していたが、減り幅が大きい。4月の動きを注視する必要がある」としている。
検討会議は県幹部らで構成。年齢別、他の首都圏3都県の状態などについても調査を進め、8月末にも分析結果をまとめ、今後の各種対策に生かすという。
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茨城の人口、1年間で1万4444人減 下げ幅過去最大
2012.1.30 16:28
茨城県は30日、県内人口が昨年(平成23年)の1年間で1万4444人減少したとする推計を発表した。年間当たりの県人口の下げ幅は過去最大。このうち、東日本大震災があった昨年3月から10カ月間で県人口は1万2828人減った。
県統計課によると、特に4~5月の急減が目立った。また、県内44市町村のうち、人口が増えたのはつくば市、つくばみらい市など県南中心に7市町村にとどまった。今年1月1日現在の県人口は295万4126人。
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セシウム汚染の帯、首都圏に 千葉・埼玉の汚染地図公表
(2011年9月29日 朝日新聞)
図:セシウム134、137の蓄積量拡大セシウム134、137の蓄積量
文部科学省は29日、航空機を使って測定した放射性セシウムの蓄積量について、千葉県と埼玉県の汚染マップを公表した。東京電力福島第一原発事故によって飛散した汚染の帯が、薄まりながら首都圏まで広がっていることが示された。
両県とも9月8~12日、ヘリコプターで測った。放射性物質の量が半分になる半減期が30年のセシウム137の蓄積量をみると、千葉県で高かったのは柏や松戸、我孫子、流山市などの県北部。1平方メートルあたり3万~6万ベクレルにのぼった。他は木更津市の一部を除きほぼ1万ベクレル以下だった。チェルノブイリ原発事故では3万7千ベクレル以上が「汚染地域」とされた。ただし強制避難の基準は55万ベクレル以上。
文科省によると、千葉県では、原発から放出された放射性物質を含んだ雲がいったん太平洋に流れ、再び茨城県の霞ケ浦付近を通り、埼玉県境まで広がったと推測できるという。
埼玉県では、原発から250キロ離れた秩父市の山間部の一部で3万~6万ベクレルにのぼった。放射性物質を含んだ雲が原発から南西方向に流れ、群馬を過ぎて、埼玉県に回り込み、地上に沈着したようだ。
両県とも蓄積量の多い地点では放射線量が毎時0.2~0.5マイクロシーベルトで、このほかの多くは0.1マイクロシーベルト以下だった。学校において、校庭の除染を行う目安は1マイクロシーベルト以上とされている。
文科省は東日本全域で航空機による測定をしている。測定を終えた県の汚染マップを順次、ウェブサイトで公表している。(佐藤久恵)