80トンのガレキを運ぶのに10トントラック28台で輸送している。もし、北九州市が計画している7万トンを運ぶようになると、約24500台もの10トントラックが宮城県から1400km走ることになる。この場合、どれだけ多量の石油が消費され、二酸化炭素が排出されるのか? 「環境都市」を掲げる北九州市は、そのことを無視してはいけない。
加えて、全国への輸送と、全てのガレキを焼却した場合、どれほどの二酸化炭素が排出されるのか? これまで声高に「温暖化防止」を言ってきた環境省や経済団体は、なぜ、この問題に言及しないのか。
また、80トンのガレキを運ぶのに1400万円の輸送費がかかった。7万トンを運ぶと122億5000万円もかかる。広域処理を含むガレキ処理には、1兆円かかる(地元処理だけなら半分の5000億円ですむ)。これらの費用はすべて国が負担する。つまり、税金が使用される。そうした財源が不足しているとして、さらに消費税を増税しようとしている。
国会議員と地方議員、北九州市長にも見てほしい動画がある。二酸化炭素を増やさず、無駄な税金も使わず、放射能による被ばくの心配もなく、大切なガレキが活用されて、東北が津波から守られる。皆に喜ばれる「瓦礫を活かす森の防潮堤」という方法がある。
6月3日テレビ朝日の報道ステーションが放送した番組は、見るのに15分もかかりません。東北の本当の復興、本当の絆を大切にしたい方は、ぜひ、この番組を見て下さい。「がれきの処理に新たな動き 「森の力」で被災地を救え(動画)」
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北九州市試験焼却 がれき80トンの輸送費1400万円
(2012年06月07日 河北新報)
東日本大震災で発生した宮城県石巻市の可燃がれき80トンを試験焼却のため北九州市に運んだ輸送費が、1400万円に上ったことが6日、宮城県の調べで分かった。広域処理が正式に決まった場合、県と北九州市は今回の陸路よりコストの安い海上輸送を検討している。がれきの輸送費は全額を国が負担するが、円滑な処理の実現に向け費用圧縮が課題となりそうだ。
北九州市の試験焼却は5月23~25日に行われた。木くずなどのがれきは10トントラック28台に積載し、石巻市の中間処理施設から1400キロ先の北九州市に運ばれた。
試験焼却に掛かった輸送費は、1トン当たり17万5000円。これを北九州市が計画する「年間3万9500トン以内の処理」に当てはめると、全て陸路で運んだ場合、輸送費は約70億円に上る計算になる。
今回、がれきは5月22日に北九州市に到着した。同日中に焼却施設に搬入する予定だったが、一部のグループが受け入れを阻止したたため、作業は予定に比べ8時間半遅れた。
県は「陸路で運んだことに加え、搬入の遅れも輸送費がかさんだ要因になった」(震災廃棄物対策課)とみている。
県と北九州市は現在、輸送費を抑えるため海上輸送を検討中。1回当たりの運搬量は300トンを想定しているが、ここでも課題がある。コンテナ船などは少なくとも1000トン規模の運搬が可能で「300トンの量ではかえって割に合わない」(同課)という。
北九州市は6月中にも、がれき受け入れの可否を最終判断する。輸送費を含め、がれき処理に掛かる経費は最終的に国が負担する。
宮城県は「広域処理が必要な状況に変わりはない。コストを圧縮できるよう国や受け入れ先の自治体と調整を重ねたい」と効率的な輸送手段の構築を急ぐ。
2012年06月07日木曜日
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