瓦礫を広域で焼却してCO2を増やし、消費税を上げようとする人々へ

この問題は、とても重要なので、もう一度、伝えたい。
6月7日の河北新報によれば、宮城県石巻市のがれき80トンを試験焼却のため北九州市に運んだ輸送費が、1400万円もかかっている。80トンのガレキを運ぶのに10トントラック28台で輸送している。

もし、北九州市が計画している7万トンを運ぶようになると、約2万4500台もの10トン車が宮城県から1400km走ることになる。この場合、どれだけ多量の石油が消費され、二酸化炭素が排出されるのか? それが全国に広がった場合、100万台以上の10トン車が走ることになる。さらに、全てのガレキを焼却した場合、どれほどの二酸化炭素が排出されるのか? これまで声高に「温暖化防止」を言ってきた環境省や政治家や経済団体は、なぜ、この問題に言及しないのか。

また、80トンのガレキを運ぶだけで1400万円も輸送費がかかったということは、7万トンを運ぶと122億5000万円もかかる。環境省が進めている広域処理を含むガレキ処理は、1兆円かかる(地元処理だけなら半分の5000億円ですむ)。これらの費用はすべて国が負担する。つまり、税金が使われる。そうした税金の使い方をしながら、消費税を増税しようとしている。

「ガレキ処理の方法は、焼却しかない」と思っている人は、これから紹介する動画を見ていただきたい。すべての国会議員と地方議員、北九州市長など自治体の首長にも見てほしい。二酸化炭素を増やさず、無駄な税金も使わず、放射能による被ばくの心配も少なく、大切なガレキが活用されて、東北が津波から守られる。皆に喜ばれる「瓦礫を活かす森の防潮堤」という方法である。

まず、4分ほどの動画を見て下さい。


次に、6月3日に報道ステーションが放送した番組(14分44秒)を見てほしい。
東北の本当の復興、本当の絆を大切にしたい方は、ぜひ、この番組を見ていただきたい。

https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=4bFbq4yi_EY

がれきの処理に新たな動き「森の力」で被災地を救え
(2012年6月3日放送 報道ステーション サンデー)書き起こし(抜粋)

(長野智子キャスター)
こちらをご覧下さい。実はこのずらりと並んだ苗木なんですが、1年に1メートル伸びるという凄い成長力なんですね。広葉樹の苗木なんです。今、被災地のガレキ受け入れをめぐって、国民の意見が2分されているんですが、実はこの苗木がガレキ問題を解決するカギを握っているんです。

(北九州市での市民によるガレキ受け入れ反対の映像とナレーション)
東日本大震災で発生した震災がれきの試験焼却をめぐり、先月、北九州市で搬入を阻止する反対派市民と警察隊が衝突、逮捕者2人を出す騒ぎとなった。

「受け入れ」か「拒否」か。世論を2分する震災ガレキの広域処理問題。
ガレキの処理率は15%あまり。こうしたなか、画期的な打開策が動き出そうとしている

1200人以上の死者、行方不明者を出した岩手県大槌町。
4月下旬、この町で全国初のある催しが行われた。

(長野智子)
「今、大勢の方が苗木を植えているところなんですね。この盛り土の中なんですけども実は、コンクリートを砕いたものであるとか、あるいは、津波で流された自然木など震災瓦礫が入っているんです。」

(ナレーション)
町民やボランティアなど、およそ550人が参加した植樹会(大槌町「千年の杜」植樹会)。3400本もの苗木が植えられた盛り土には2トンの丸太や砕かれたコンクリートが埋設されていた。

企業が大槌町と組んで実験的に行ったこのプロジェクトは、震災ガレキを盛り土の材料として活用。さらに苗木を植樹して防潮林とする「いのちを守る森の防波堤」構想によるものだった。

植林に参加した女性「(植林して)感激しました。他に持っていったらお金はかかるし、地元で再利用できることは最高に素晴らしいことだと思います

このプランを震災直後から提唱し続けてきた人物、麦わら帽子がトレードマークの生態学者、宮脇昭84歳である。「大丈夫だと思って予測したり、つくった防潮堤が、必ず襲う地震国日本の、自然のゆり戻しで2万人のいのちが失われた。何とかしないといけない。生きた緑の蓄財をどう使い切るか、これが勝負なんですよ」

1958年、西ドイツの研究機関に招聘され、以来、植物生態学の第一人者として、日本はもとより世界1700ヵ所で植樹を指導してきた宮脇。「4000万本の木を植えた男」として、日本人で初めて環境界のノーベル賞といわれるブループラネット賞、紫綬褒章も受章した森林再生の世界的権威である。

震災からわずか1ヶ月後、宮脇は被災地、宮城にいた。ここで彼は、思いもかけない光景を見る。
(宮脇さんが木の根っこを見ながら)「このタブノキがなければ(斜面が)崩れている。この木の根元から10m上まで津波が来ている(しかし、タブノキは倒れていない)」

それは、宮脇が最もこだわり続けて植えてきたタブノキが押し寄せる津波にも負けず根をからませながら、しっかりと緑の葉を蓄えている姿だった。宮脇は思った。「こうした樹木で『壮大な緑の防波堤』を築きたい」

幅が100m 高さ22mで、南北300kmの森をつくれば、今のガレキは全部入れても4.8%にしかならない。マウンドにするのに足りない

(ナレーション)
このプロジェクトが遂行すれば、被災地にある1900万トンものガレキすら盛り土のわずか5%にも満たないという。

そんな壮大な構想を掲げた財団が先月末、立ち上がった。メンバーは、細川元総理を理事に据えたそうそうたる顔ぶれ。(細川元首相)「そうしたガレキを活かした森づくりが進めば、本当にこれは一石二鳥で非常に意味のあることではないかと」

これは、森づくりを通して30年ほど前に宮脇と知り合った細川元総理が宮脇の思いに賛同して始まった。「それはもう、大変情熱的で、熱い方で、行動力もある方ですから本当に素晴らしいと思います」 元総理も敬服する84歳の行動力。

この日、宮脇は、南三陸町の沖合いにある無人島に向かった。(椿島)津波の直撃を受けたこの島の植生がどう変わったか調べるためである。船着場すらない岩場だらけの島。「(大きな木の地表に現れた根っこを見ながら)ここまで洗われても生きてますね」

そこには高さ15m以上の津波が襲い、根元をえぐられても生き残るタブノキの姿があった。「これだけ塩水をかぶってえぐられていても、ここで津波を抑えて、しかも生き延びているじゃありませんか。これが本物の姿です」

(後略)

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