野田首相に「リスク」 増税、原発再稼働で米紙
2012.6.24 11:57 [米国]
23日付の米紙ワシントン・ポストは、野田佳彦首相の関西電力大飯原発3、4号機(福井県)再稼働決定や、自民、公明両党との消費税増税関連法案の修正合意について「果敢に決めた」としつつも「最近5人の首相が短期間で辞任したことを考慮すれば、野田首相の今後にとってリスクが伴う決断だ」との論説記事を掲載した。
論説では、特に大飯原発3、4号機の再稼働決定を取り上げ、東京電力福島第1原発事故を受けて最近の世論調査では原発への依存度を減らすべきだとの声が強まっていると分析。首相が「疑問の声に直面する」可能性を指摘した。
スリーマイルアイランド、チェルノブイリ両原発事故の経験に照らし「(原発に対する)国民の信頼を再び獲得するのは極めて困難な仕事だ」とした。(共同)
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山口知事選 脱原発候補が大躍進
(2012年7月2日掲載 日刊ゲンダイ)
<自民から共産まで幅広い支持>
山口知事選(12日告示、29日投開票)が、面白い展開になってきた。自民党がほぼ独占状態の保守王国・山口では当初、元国交省官僚の山本繁太郎氏(63)=自民・公明推薦=が勝利確実とみられてきたが、分からなくなってきた。先月22日に急きょ、出馬表明したNPO法人「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也氏(53)の支持が急拡大しているのだ。
飯田氏は言わずと知れた脱原発知識人の代表格。折しも関西電力は1日、大飯原発3号機を再稼働した。官邸前では先週末、脱原発で15万人がデモ行進した。こうしたうねりが山口県にも波及しているのだ。
飯田氏は1日、山口市で事務所開きを行った。県内各地で開いているミニ集会には毎回、30~50人が集まっている。宇部市で開いた集会には150人が集まった。
「選挙運動を支えるボランティアは女性や若者など、組織や地縁血縁、政党の枠組みを超えた人たちばかりです。こうした勝手連の動きが県内中に急速に広がっていて、各地で、政策ビラやチラシを求める声が上がっています」(選挙を取材したジャーナリストの横田一氏)
選挙プロの票読みはこうだ。
「飯田氏は橋下徹・大阪市長のブレーンとしてエネルギー問題を担当、大飯原発の再稼働を目指していた関西電力が唱えた電力不足の“ウソ”を論理的に指摘して、知名度を高めた。この実績から『大阪維新の会』の“基礎票”が見込めるのに加え、脱原発の社民、共産票が入るのも確実です。飯田氏は聖教新聞でエネルギー問題の連載をしたこともあり、公明党票もある程度切り崩せる。民主党県連は自主投票で、民主票の半分くらいは期待できます。自民党支持者でも、飯田氏が唱える『再生エネルギー普及拡大に伴う雇用創出』に理解を示す人が多い。相当な票が出そうです」
県民は毎年、光熱費で1000億円を払っている。多くはエネルギーの輸入代で消えてしまうが、自然エネルギーに転化すれば地元に金が回っていく。それが飯田氏の掲げる政策のひとつだ。
加えて、対立候補の山本繁太郎の評判が悪い。とにかくエラソーなのである。山口で地殻変動が起きれば、それは全国に波及していく。
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【声明】鹿児島県知事選 向原よしたかさん、山口県知事選 飯田哲也さん を支持します
(2012年6月21日 みどりの未来運営委員会)
鹿児島県知事選(6月21日告示、7月8日投開票)、そして山口県知事選(7月12日告示、29日投開票)が相次いで行われます。5月5日原発ゼロ、そして野田政権による時計の針を逆回転させる大飯原発再稼働の強行決定という許しがたい事態を受けた直後の原発立地(予定)県での知事選です。私たちは、この注目すべき知事選に立候補(表明)した鹿児島県の向原よしたかさん、山口県の飯田哲也さんへの支持を表明します。
向原よしたかさんは1996年に「反原発・かごしまネット」を立ち上げ、事務局長として川内原発の問題に取り組まれてきました。今回、知事選においては、「さよなら原発。いのちと暮らしが一番大事」をメインに掲げ、基本政策では、「川内原発1、2号機の再稼働を許しません。3号機増設を白紙にします。再生可能なエネルギーを大胆に掘り起こしていきます。」とし、「かごしま自然エネルギービジョン」を広く市民から公募するなど県民とともに「GREENING KAGOSHIMA」を構想し、知事選を日本の全ての原発が停止してから初めての実質的な脱原発県民投票と位置づけています。
「脱原発・再生可能エネルギーへのシフトへ」を提言してきた飯田哲也さんは、立候補にあたっての動機と決意として、「311後にエネルギー政策を変える使命があり、中央政府が逆回転し始めた今だからこそ、地域からの歴史的なダイナミズムを生みだしたい」「日本中が閉塞感に覆われるなかで、故郷・山口から『脱官僚・脱中央・脱閉塞』による開かれたデモクラシー改革を通じて、『ほんとうに豊かな21世紀の地域社会』を目指したい」と語っています。中国電力が山口県上関町で計画している上関原発については中止を明らかにするとみられます。
二人の立候補は、いのちより利権を優先し、原発に依存した地域社会を根っこから変えていきたいという多くの人々の思いに支えられています。
福井県大飯原発再稼働決定の最終局面において、関西電力、関西及び県内経済界の強力な巻き返しのなかで、西川知事は未来に向けた哲学を持つことなく、また広範な福井県民の願いと真摯に向き合うことなく、「原子力ムラ」の構造に組み込まれた「決断」を行いました。「急がないで」という県民の不安を置き去りにし、再稼働を「決断」したのです。そして、西川知事の民意に背を向けた「決断」を「再稼働への地元の理解は得られた」として、野田政権は再稼働強行を宣言しました。
原発立地県の知事の政治的役割は極めて大きなものです。「3.11」以降、原発立地県において、これまでの原発依存の地域社会からいかに抜け出すかが問われています。
向原よしたかさん、飯田哲也さんの挑戦は、その問いへの答えを与えてくれます。
私たちはすでに地元での支援を始めています。全国からの支援を広げていきましょう。
■応援メッセージ■
飯田哲也
鹿児島と山口は、ともに維新の先駆けでありながら、いつの間にか官僚天下りの知事が続く最も保守的な地域になってしまいました。
しかし明治維新を成し遂げた鹿児島県民、山口県民が持つ「維新のDNA」は、21世紀型のほんとうに豊かな「持続可能な地域社会」を実現していく可能性を秘めています。しかも今度は、福島を助ける「維新」になります。脱原発と地域エネルギー革命による『エネルギー維新』を、再び薩長から起こして行きましょう。向原さんの必勝を願って、山口から鹿児島へエールを送ります。ともにがんばりましょう!
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いしだ 壱成(俳優・ミュージシャン)
今僕は、青森の「大マグロック」に来ています。通常運転でも大気や海に放射性物質を放出し、負の遺産・核のゴミを増やし続ける原発は、もう日本に一基も要りません。原発廃炉と核燃料サイクルから撤退する、ポスト311のエネルギー政策が必要です。
川内原発「温廃水」訴訟は、ウミガメが産卵にくる美しい海の環境を守ろうと取り組まれ、7度も高い温水が生き物たちにどれほどの悪影響を与えているのかを教えてくれました。今も続く地道な環境調査、ありがとうございます。
「反原発・かごしまネット」事務局長の向原さんの県政へのチャレンジ、こころからエールを送ります。リスペクト向原さん。南の守りをお願いします。
追加被ばくの許されない状況で、年間1ミリシーベルトの許容限度値を超えようとする危機的な環境の中で生きねばならない東日本の若者と子どもたち、生まれ来る未来のいのちたち…
民主政治を取り戻し、生命と環境最優先の脱原発政策を掲げる知事の誕生を応援します。実現しましょう。
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うのさえこ(※福島から子どもさんと共に九州に避難)抜粋
私は、鹿児島の人がうらやましいです。
希望ある選択のチャンスが目の前にあるのですから。
県知事にどういう人を選ぶかによって、今日の暮らし、明日への希望が、具体的に違ってきます。県民ひとりひとりのいのちと暮らしを真剣に守る知事なのか、利権と自分の政治生命を守る知事なのか。
それによって、日々の生活の充実度、未来へ感じる希望、そしていざという時の県民の守られ方が、まったく、まったく、変わってきます。後者の知事をもってしまった福島県が、それを証明しています。
大人たちが誇りをもって生き生きと暮らす鹿児島県。
そんな大人たちを見ながら、夢をはぐくみのびのびと成長する子どもたち。
慣れ親しんだ故郷の自然と人のつながりの中で人生を全うするお年寄り。
人々の営みを包み育むのは鹿児島の豊かな自然です。
取り返しのつかない環境破壊を食い止めてこそ、永年の鹿児島の繁栄と文化の継承、そして人々と幸せがあるのだということを、福島の被災者として、改めて訴えたいです。
新しい希望を発信する鹿児島に、若者たち、子育て家族が集まるでしょう。
子どもが生まれ、子どもたちの元気な声が響くでしょう。
おいしくて安全な食べ物が作られ、全国の人々が求めるでしょう。
未来ある農に希望を見出した人々が集い、鹿児島の大地・森・海の守り手となるでしょう。
子どもたちは、真の生きる力を、暮らしの中から獲得していくでしょう。
7月8日は、そんな未来へ向けて、一票を投じられる日です。
鹿児島のみなさん、みなさんの未来への一歩を、心から応援しています。