◆「携帯使用で脳腫瘍」と労災認定 伊最高裁、保険支払い命令
(2012/10/19 共同通信)
【ローマ共同】イタリアの最高裁は18日までに、仕事で携帯電話を長時間使用したことが脳腫瘍の発症につながったとの北部に住む男性(60)の訴えを認め、全国労働災害保険協会に労災保険の支払いを命じる判決を下した。同国メディアが報じた。
訴えによると、男性は2002年までの12年間に仕事で一日5~6時間、携帯電話やコードレス電話を耳に当てて使い続けた結果、頭部左側に良性の腫瘍ができ、手術を受けた。
判決は、長年にわたる携帯電話使用と脳腫瘍発症の因果関係を示したスウェーデンの学者らの研究結果を「信頼性が高い」と認定。腫瘍の「少なくとも原因の一つと言える」とした。
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◆「ケータイで脳腫瘍」論争 ガン研究所が警告
全米No1トーク番組「ラリーキングライブ」が2回特集
(2008年9月4日 My News Japan)から抜粋
◇辣腕弁護士の脳腫瘍がきっかけ
5月27日に放送された1回目の特集のきっかけは、アメリカでも有数の弁護士ジョニー・コクラン氏の死因についてであった。コクラン弁護士は、アメリカンフットボールの有名選手OJシンプソン氏の殺人疑惑事件や、マイケル・ジャクソンの児童性的虐待疑惑などの裁判で、圧倒的不利な条件で、無罪を勝ち取ったことでも有名なアメリカ屈指の弁護士だ。
彼は脳腫瘍のために2005年3月29日に亡くなった。彼の死亡以来初めて、未亡人のデール・コクランさんがテレビに出演するという内容だ。話の前半は、コクラン弁護士の回想で、その後死因となった脳腫瘍と携帯電話に関係があるのかについて、専門家を交えての論争が始まる。
◇相関関係を示しているいくつかの研究がある
研究の1つで、とても重要なものが、10年間にわたる携帯電話の使用という長期曝露を見たヨーロッパでの研究です。2,000時間以上(1日一時間で10年間)の携帯電話使用にさらされた場合、脳腫瘍を発症するリスクが3.7倍、増加すると報告しています」
また、問題のジョニー・コクラン弁護士の脳腫瘍と携帯電話の関連について、ラリーキング氏の「ジョニーの腫瘍ができた場所は、携帯電話を耳に近づけて使用するところの近くでしたか?」という質問に対して、
「はい、そのとおりです。そして、決定的な研究はないものの、携帯電話を使用する側と脳腫瘍が発生する側の相関関係を示しているいくつかの研究があるんです。頭の左側で使っていれば左側に腫瘍ができるというような。それが研究者の間で、懸念を高めた根拠の1つです、人々が携帯電話を使う位置の近くで腫瘍が発生しているのということなので」
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◆ケータイ使用10年以上で脳腫瘍リスク
欧州5カ国調査で発覚も、日本は企業が安全宣言
(2007年2月20日 My News Japan)から抜粋
フィンランド政府・放射線安全庁(STUK)のアンシ・アウビネン博士は、英紙の取材に対して「腫瘍が成長するのに必要な期間を考慮すると長期間で影響がでている結果には信憑性がある。また携帯電話を近づける側頭部の方に腫瘍が発生していることにも信憑性がある」と答えている。
◇携帯電話は21世紀のタバコだ
このような10年以上での脳腫瘍リスク上昇について、携帯電話の電磁波の世界的権威であり、英政府のモバイル通信健康調査プログラムの議長を務めるラウリー・チャルリス教授は、 英紙の記事の中で「携帯電話は21世紀のタバコとなりうるか?」と質問され「絶対なる」と答えた。
◇スウェーデン、ドイツでは政府が電磁波低減を勧告
今回の調査結果を受けて、スウェーデン政府の放射線防護庁(SSI)は1月31日に声明を発表。携帯電話が脳腫瘍の原因となる可能性が強まったとして、携帯電話の使用に気をつけるように注意を呼びかけた。具体的には通話に際してイアホンマイクを使い携帯電話本体を体から離すこと、通話状態の良い場所で使うこと(携帯電話から発信される電波が自動的に弱くなるので)などを薦めている。
またドイツ政府の放射線防護連邦局(BfR)は、2月5日に同様に、通話中に浴びる電磁波をできるだけ減らすようにすること、また電磁波の影響の少ない機種を選ぶことなどを勧告する声明を出した。