以下の記事では、原発事故で避難している人々の「ストレスが死因」のように書かれていますが、チェルノブイリでは、放射性物質に汚染された地域で死亡した400人以上の遺体解剖の結果、特に心血管系疾患で死亡した患者の心臓に多くのセシウム137が蓄積されていたことがわかっています。
◆【震災関連死対策】遺族「遅すぎる」 定住先整備急げ 心疾患増え死者増懸念
(2012/10/31 11:31 福島民報)から抜粋
震災関連死で復興庁が国と県による検証・対策チームを設ける方針を示した30日、認定を受けた遺族からは「今ごろになってつくっても遅すぎる」との声が上がった。東京電力福島第一原発事故で避難している高齢者らはストレスの続く生活に不安を抱き、一刻も早く定住できる環境づくりを望む。医療関係者は東日本大震災後に心不全や狭心症などの心疾患が増えていることを指摘し、関連死が今後も増える可能性を訴えている。
■たまるストレス
富岡町から大玉村の仮設住宅に避難している渡辺広勝さん(75)は「避難者が2人集まれば原発事故について話し合う。行く先の見えない将来にストレスは増すばかり」とため息をついた。
渡辺さんは震災と原発事故以降、避難先は5カ所目となった。避難生活の長期化に伴い精神的な苦痛は増大している。国や東京電力などを信じることができず、将来を悲観する避難者もいるという。
■一体で支援を
福島市の大原綜合病院付属大原医療センターの石橋敏幸院長代理(57)は「震災関連死は今後も増える恐れがある」と警鐘を鳴らす。
石橋氏は同センターの心疾患の入院患者の人数を分析。その結果、死に至る危険性が高い心不全と狭心症の患者数が震災後、増えていることが分かった。震災前の平成22年は心不全143人、狭心症266人だったが、震災後の23年は心不全199人、狭心症285人、24年は6月までの半年だけで心不全84人、狭心症212人だった。
原発事故に伴う避難生活や放射線の影響を心配した日常の中で、偏った食生活、運動不足、ストレス、睡眠不足などによる糖尿病や高血圧の悪化から心疾患を引き起こしたケースが目立つという。
【中村コメント:チェルノブイリでも糖尿病と高血圧が増えています】
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◆震災関連死 県内1121人 国県合同検証・対策チーム発足へ 復興相示す
(2012/10/31 08:39 福島民報)から抜粋
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴い体調を崩して亡くなり、「震災関連死」と県内で認定された人は、9月末までに全国の約49%に当たる1121人に上る。認定された人のうち震災から1年以上経過して死亡したのは全国で40人で、そのうち本県が35人を占めた。
原発事故の避難区域が自治体の全域、もしくは一部に設定された双葉郡8町村と南相馬市、飯舘村、田村市の11市町村の合計は985人で、県全体の87・9%に上った。双葉郡8町村では609人に上り、全体の54・3%を占めた。市町村別では、南相馬市が336人(前回比54人増)で県内最多。浪江町が192人(101人増)、富岡町119人(44人増)だった。県によると、震災後1年以降に亡くなった35人は、ほとんどが避難区域からの住民。