◆放射線量上昇し2度目の除染 千葉放送局
(2013年1月15日 NHK)
放射性物質を取り除く除染が行われた松戸市の公園で市が去年11月から改めて放射線量を測定したところ28の公園で、再び国の基準を超えるレベルにまで高くなっていたことがわかりました。
市は周辺の放射性物質が雨などによって集まったのが原因と見て2度目の除染を行っています。
松戸市は市内のおよそ9割が国が費用を負担して除染を行う汚染状況重点調査地域に指定され市はおととし12月から公園で表面の土を取り除くなどの除染をしています。
しかし、除染を終えたおよそ310の公園について、市が去年11月から改めて放射線量を測定したところ28の公園では、再び値が高くなり、地上から50センチの高さで1時間あたり0.23マイクロシーベルトという国の基準を超えていたことがわかりました。このうち子どもたちが集まる広場や遊具の近くの値が基準を超えていたのは18の公園で、1時間あたり0.41マイクロシーベルトと基準の2倍近くに上っていた場所もありました。
市は雨などによって周辺の放射性物質が集まり濃縮したのが原因とみて2度目の除染を行っています。2度目の除染はほぼ終わったということですが、市は今後も値が上昇するおそれがあるとして測定を続けることにしています。
松戸市公園緑地課の島村宏之課長は、「除染は1度では終わらないことがわかった。今後も放射線量が上がるおそれがあり、定期的な測定と除染をしっかり行っていきたい」と話しています。
松戸市新松戸の住宅街にある公園では、市が去年8月に、表面の土を取り除くなどの除染を行った結果、広場や遊歩道、それに木の根元などすべての地点で、放射線量が地上から50センチの高さで1時間あたり0.23マイクロシーベルトという国の基準を下回っていることを確認していました。
ところが、除染から3か月後の去年11月に改めて測定したところ、広場にあるブランコの前で、1時間あたり0.37マイクロシーベルトと再び国の基準を超えていることがわかり、市は2度目の除染を行いました。
原因について市ではこの場所の地形が影響しているとみています。市によりますとこの場所には、大きなくぼみがあり、雨が降ると水たまりができやすい場所だったということです。
このため周囲の放射性物質が雨などで集められ、濃縮したのが原因ではないかとみています。
市では、くぼみに土を入れて平らにし、雨水がたまりにくい地形にする対策を取ったということです。放射線量が再び国の基準を超えた公園の近くに住む、6歳の子どもを持つ母親は、「市が除染をまめにやってくれているので、放射線量が早く下がるのを待つしかないです」と話していました。
また4歳と6歳の2人の子どもを持つ母親は、「不安な気持ちもありますが、子どもが公園で遊べないとストレスになるので、仕方がないと思って遊ばせています」と話していました。
01月15日 18時00分