(2012/9/11) 1人が甲状腺がんと報告
(2013/2/14) 2人が新たに増え3人に
(2013/6/05) 9人増え12人が甲状腺がん+「がんの疑い」は15人
山下俊一氏の辞任で新しく座長になった星北斗氏も「現時点では放射線の影響を明らかに示すものではないと理解している」と発言。これに対し、津田敏秀・岡山大教授(環境疫学)は「明らかに多発だし、(発症が)原発からの距離に比例する傾向がある。その前提で健康管理対策を立てるべきだと思う」
◆甲状腺がん「確定」12人に 福島18歳以下、疑いは15人
(2013/06/05 14:03 共同通信)
東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が5日、福島市で開かれ、甲状腺がんと診断が「確定」した人は前回2月から9人増え12人に、「がんの疑い」は15人になったとの結果が報告された。
甲状腺検査は、震災当時18歳以下の約36万人が対象。これまで1次検査の結果が確定した約17万4千人の内訳を、調査主体の福島県立医大が説明した。
前回2月の検討委では、がん確定は3人、疑いは7人だった。
検討委の星北斗座長は、記者会見で「現時点では放射線の影響を明らかに示すものではないと理解している」と述べた。
福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会を終え、記者会見する座長の星北斗常任理事=5日午後、福島市
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◆子どもの甲状腺がん12人
(2013年6月6日 朝日新聞)
●検討委「長期観察を」
12人ががんと診断され、15人にその疑いがあることが公表された県民健康管理調査の甲状腺検査。5日の記者会見では、原発事故との因果関係に質問が集中した。調査のあり方を検討する委員会の専門家らは「現時点では原発事故の影響は考えにくく、長期観察が必要」とした。
甲状腺検査の結果はこの日までに、原発事故発生時に18歳未満だった県民約17万4千人分が判明。検査の責任者である鈴木真一・県立医大教授らが「百万人に1~2人」としてきた小児甲状腺がんの発生頻度より、がんと診断された人が多かった。
検討委後の記者会見では、検査結果と放射線被曝(ひ・ばく)との相関関係について質問が集中。鈴木教授は「今回のような大規模な調査はこれまでないので、(事故による)放射線の影響かということはにわかに判断できない」とする一方で、「現時点で(事故の)明らかな影響とは考えていない」との見解を強調。がんと診断された12人は手術を受けた後、経過は順調で、「日常生活に戻っている」とも説明した。
また「多発とはいえないのか」との問いにも、鈴木教授は「高い受診率で大規模に実施し、最新の超音波機器を使って専門医がやった結果の発見率。(過去の調査に)比較できるものはないが、想定範囲内の数なのかな」とも答えた。
一方で、検討委が公表した健康管理調査の結果を津田敏秀・岡山大教授(環境疫学)は「明らかに多発だし、(発症が)原発からの距離に比例する傾向がある。その前提で健康管理対策を立てるべきだと思う」と話している。
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◆新たに2人が甲状腺がん 18歳以下 福島、放射線の影響否定
(2013/02/14 共同通信)
東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の県民健康管理調査の検討委員会が13日、福島市内で開かれ、18歳以下(震災当時)の2人が新たに甲状腺がんと確定したと報告された。昨年9月に判明の1人と合わせ、3人となった。
ほかに7人ががんの疑いがあるとして、福島県立医大が検査を続けている。10人の内訳は男性が3人、女性が7人で平均年齢は約15歳。確定した3人の性別や年齢は明らかにしていない。
県立医大の鈴木真一(すずき・しんいち)教授は「甲状腺がんは最短で4?5年で発見というのがチェルノブイリの知見。今の調査はもともとあった甲状腺がんを把握している」と述べ、福島第1原発事故による放射線の影響を否定。一方で「断定はできない。これからきっちり検討していく」とした。鈴木教授によると、3人とも手術を受け、経過は良好。
検討委の山下俊一(やました・しゅんいち)座長は「数だけ見ると心配するかもしれない。しかし20代、30代で見つかる可能性があったものが(調査で)かなり前倒しで見つかった」との考えを示した。見つかった頻度については「(比較する)前例がない」と言及を避けた。
甲状腺検査は震災当時18歳以下が対象。2011年度に1次検査を約3万8千人を対象に実施。うち186人が、2次検査が必要と判定された。
2次検査で細胞検査が必要とした76人のうち、10人にがんの疑いがあるとされ、このうち3人が甲状腺がんと判明した。
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◆18歳以下1人が甲状腺がん 福島健康調査8万人分析 放射線の影響は否定
(2012/09/11 共同通信)
東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が11日開かれ、事故発生当時18歳以下を対象とした甲状腺検査について、1人が甲状腺がんと報告された。
甲状腺検査の対象は約36万人で、これまで結果が判明したのは約8万人。
福島県立医大の鈴木真一(すずき・しんいち)教授は「チェルノブイリでも甲状腺がんは(発生まで)最短4年。福島では広島、長崎のような外部被ばくや、チェルノブイリのような内部被ばくも起きていない」と述べ、放射線の影響を否定した。
これまでの調査で425人が「一定の大きさのしこりなどが見られるため2次検査が必要」とされた。60人が2次検査を受け、うち38人の結果が判明。この中の1人ががんと判断された。
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◆甲状腺がん10万人に2~3人 東京でも内部被ばくの影響
(2012/03/12 共同通信)から抜粋
東京電力福島第1原発の事故後1年間に摂取した飲食物による内部被ばくで、都内に住む乳幼児の場合、10万人当たり2~3人の確率で一生のうちに甲状腺がんになるとの推計を、東京大の研究チームが12日発表した。
事故の影響が東京の子どもにまで及ぶことを示す結果。チームの村上道夫特任講師は「外部被ばくより影響は小さいが、がんの確率が高いか低いかは、人によって受け止め方が違うだろう」と話している。