今、子どもたちを守るために、非常に重要な福島県の医師からの指摘
「福島県に限らず、関東も含めた広域での甲状腺超音波検査が急務です」
◆甲状腺検査きめ細かに 医師 藤田操(福島県平田村 51)
(2013年7月11日 東京新聞)
福島原発事故から2年以上たち、小児甲状腺がんの発症は、疑いも含めて27人にのぼります。チェルノブイリの経験から、今後も増えることが危惧されます。事故後、放射性ヨウ素を含んだプルーム(大気)の中にいた子どもたち。福島県に限らず、関東も含めた広域での甲状腺超音波検査が急務です。
福島県立医大の県民健康管理センターでは、県内36万人の子どもたちを対象に甲状腺検査を行っていますが、2年に1度です。例えば、1歳の子は2年で20センチ成長します。成人検診でさえ毎年なのに、これはどうしたことでしょう。
膨大なマンパワーと予算が必要ですが、超音波検査は年に1、2回は行っていくべきでしょう。過去に経験のない大惨事の真っ只中にあるのですから。
ベラルーシ国立甲状腺がんセンターの資料では、1986年から97年の小児甲状腺患者570人のうち385人がリンパ節転移し、16.5%の94人に肺転移がありました。今でもベラルーシでは6ヶ月に1回の検査が行われています。
福島でも今後20年以上は甲状腺の検査を続けていかなければなりません。そのために特別な機関で行っていくのが困難なら、心臓や腹部の超音波に慣れた町の一般医が行っていく必要があるのではないでしょうか。
そのためには、医師や検査技師のスキルアップ。そして、検査の無料化。詳しい検査が必要な場合の病院施設を増やし、オープンにしていくなどの体制づくりを急ぐ必要があります。