鈴木真一教授、本当ですか?「子どもの甲状腺がん 他県も同じ」 

未成年の甲状腺がんに関するNHK報道と福島県立医大の鈴木真一教授の発言がまったく異なっている

NHKは、<平成18年(2006年)の統計で、甲状腺がんと診断された20歳未満の人は【全国で46人】>と報じているが、鈴木教授は、<今年7月までに【福島県で44人】の子どもにがんの症例またはその疑いが出た甲状腺検査について、「他県に比べ異常な数値は出ていないのか」と問いに、「他県も同じような割合だ」と答えた>と毎日新聞が報じている。

鈴木真一教授の発言が本当かどうか、かんたんな計算をしてみたい。
福島県の人口は、全国の約1.6%なので、全国で未成年の甲状腺がんが年間46人なら、46人の1.6%を計算すれば、福島の数値が出る。
【46人×0.016=0.736人】つまり、「他県に比べ異常な数値は出ていない」のなら、福島県では年間、甲状腺がんになる未成年者は0人か1人ということになる。

右:鈴木真一 左:山下俊一
(写真右:鈴木真一氏 左:山下俊一氏)


低線量汚染地域からの報告

26年後、【甲状腺がん、心臓疾患、 白内障、慢性疾患の増加】放射能汚染
(2012年9月にNHKで放送されたドキュメンタリー番組の書籍版)
ウクライナのコロステンの市内は、年0・5~1ミリシーベルトの放射線管理区域と年1~5ミリシーベルトの移住権利区域が半分ずつ占めている。日本でも同程度の汚染地域は広く分布しており、年0・5ミリシーベルト以上の汚染地域ならば1千万人以上が暮らしているだろう。チェルノブイリから26年後のコロステンの現状は、目をそらすことなく凝視すべきだろう。子供たちの75%以上が何らかの疾患を抱えているという「現実」はあまりにも重すぎる。

国際オリンピック委員会で、「健康問題については、今までも現在も将来も全く問題ない」と発言した安倍首相や鈴木真一教授の言動によって対策が遅れ、子どもたちをますます苦境に追い詰めている

安倍首相:健康問題は今までも現在も将来もまったく問題ない

関東、東海まで子どもの体内被曝が判明

石原環境相:県立医大視察 県内甲状腺がん症例、「被ばく影響なし」全面支持 /福島
(毎日新聞 2013年09月29日 地方版)

 石原伸晃環境相は28日午前、自ら率いる自民党の派閥「近未来研究会」の国会議員8人と福島市の県立医大を視察。県内の甲状腺がんの症例が原発事故の被ばくの影響ではないと説く大学関係者の見解に特段の議論もせず、1時間ほどで学窓を後にした。

 一行は前夜、前派閥会長の山崎拓元衆院議員を講師に飯坂温泉で研修会を開き、その帰りに医大に立ち寄った。

 今年7月までに県内44人の子どもにがんの症例またはその疑いが出た甲状腺検査について鈴木真一教授が「超音波検査は性能が良く、通常は見つからない15ミリの腫瘍(しゅよう)も見つかるため」と説明。さらに「被ばくによるがんは小さな子どもに多いが思春期以降の子にも分布しているため被ばくの影響はない」と断定した。

 鬼木誠衆院議員が「他県に比べ異常な数値は出ていないのか」と問い、鈴木教授は「他県も同じような割合だ」と応じた。

 被ばくの影響は「近未来」にならないと断定できないという見方もあるが、石原環境相は教授らとの雑談で「(異論を唱える人には)説明してもわかんないから不思議だ」と「影響なし」を全面支持する見方を示した。【深津誠】


甲状腺がんの子ども 新たに6人
(2013年8月21日4時22分 NHK)から抜粋

原発事故を受けて、福島県が事故当時18歳以下だった子どもを対象に行っている甲状腺検査で、新たに6人が甲状腺がんと診断され、甲状腺がんと診断された子どもは合わせて18人となりました。

福島県の検討委員会は「現状では原発事故の影響とは判断できない」としながらも新たに専門の部会を設けて、原因などの検証を進めていくことを決めました。

原発事故で放出された放射性物質は子どもの甲状腺に蓄積してがんを引き起こすおそれがあるとされ、福島県は、事故当時18歳以下だったおよそ36万人を対象に検査を行っています。

20日開かれた福島県の検討委員会で、先月末までの検査結果が明らかにされ、これまでに21万人の検査が終わり、新たに6人が甲状腺がんと診断されたということです。

甲状腺がんと診断された子どもはこれまでの12人と合わせて18人となりました。このほか、細胞の検査で、がんの「疑い」がある子どもは、これまでより10人増えて、25人になりました。

乳児を含む子どもが甲状腺がんになる確率は通常、数十万人に1人とされ、国内では、平成18年の統計で、甲状腺がんと診断された20歳未満の人は46人でした。検討委員会は「現状では原発事故の影響とは判断できない」としながらも、この秋までに専門の部会を新たに設けて、原因などの検証を進めていくことを決めました。

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最後に、ベラルーシ科学アカデミーのミハイル・マリコ博士の言葉を思い出したいと思います。
チェルノブイリの防護基準、年間1ミリシーベルトは市民の声で実現されました。核事故の歴史は関係者が事故を小さく見せようと放射線防護を軽視し、悲劇が繰り返された歴史です。チェルノブイリではソ連政府が決め、IAEAとWHOも賛同した緩い防護基準を市民が結束して事故5年後に、平常時の防護基準、年間1ミリシーベルトに見直させました。それでも遅れた分だけ悲劇が深刻になりました。フクシマでも、早急な防護基準の見直しが必要です

「年間1ミリシーベルト以上の追加被ばくを受けない」ための署名

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