(2013/2/14 共同通信)県立医大の鈴木真一教授は「甲状腺がんは最短で4~5年で発見というのがチェルノブイリの知見。今の調査はもともとあった甲状腺がんを把握している」と述べ、福島第1原発事故による放射線の影響を否定。一方で「断定はできない。これからきっちり検討していく」――放射性物質が今も放出され続ける中、放射線管理区域(年間5.2ミリシーベルト以上)の地域に子どもや妊婦さんが今も住み続け、被ばくし続けています。そのことを放置したまま「断定はできない。これからきっちり検討していく」という非人間的な発言。そして、子どもを守ろうとしない政府。これ以上彼らを「放置」してはならないと思います。
(2012年9月11日) 1人が甲状腺がんと判明
(2013年2月14日) 2人増え、3人が甲状腺がん+「がんの疑い」は7人
(2013年6月05日) 9人増え12人が甲状腺がん+「がんの疑い」は15人
(2013年8月20日) 6人増え18人が甲状腺がん+「がんの疑い」は25人
(2013年11月12日)8人増え26人が甲状腺がん+「がんの疑い」は32人
鈴木真一教授は、マスコミに対して毎回のように「チェルノブイリ原発事故では最短で4年後に発症が増加している」から福島の甲状腺がんは原発の影響ではないと発言し、マスコミもその言葉をそのまま記事にしていますが、ベラルーシの小児甲状腺がん統計では、原発事故が起きた86年2人、87年4人、88年5人、89年7人・・・と事故の翌年から増えています。マスコミは、こうした数字も確認して報道してほしいと思います。
(「原発危機を考える」より)
◆18歳以下1人が甲状腺がん 福島健康調査8万人分析 放射線の影響は否定
(2012/09/11 共同通信)から抜粋
福島県立医大の鈴木真一教授は「チェルノブイリでも甲状腺がんは(発生まで)最短4年。福島では広島、長崎のような外部被ばくや、チェルノブイリのような内部被ばくも起きていない」と述べ、放射線の影響を否定した。
福島県の「県民健康管理調査」検討委員会は、子どもたちに甲状腺ガンが見つかり始めたときから一貫して、「被ばくの影響は考えられない」と原発事故の影響を否定し続けています。特に、甲状腺がん調査の中心人物である鈴木真一教授は、「他県に比べ異常な数値は出ていないのか」という問いに対し「他県も同じような割合だ」と答えています。
2006年の統計で、甲状腺がんと診断された20歳未満の人は【全国で46人】ですが、今年2月から11月までの9ヶ月間だけで【福島県で25人】も見つかっています。(全国の54% 福島県の人口は全国の1.6%)
・
◆新たに2人が甲状腺がん 18歳以下 福島、放射線の影響否定
(2013/02/14 共同通信)から抜粋
県立医大の鈴木真一教授は「甲状腺がんは最短で4~5年で発見というのがチェルノブイリの知見。今の調査はもともとあった甲状腺がんを把握している」と述べ、福島第1原発事故による放射線の影響を否定。一方で「断定はできない。これからきっちり検討していく」とした。
・
◆「福島の小児甲状腺がん多発は統計的有意」津田敏秀・岡山大学教授
(2013年7月3日 My News Japan)から抜粋
福島県避難区域の子どもたちへの甲状腺検査で38,114人中10人の甲状腺がん(3人確定7人疑い)が見つかった。「疑い」は「10%の偽陽性=確定率9割」とされ、計9.3人となる。日本での小児甲状腺がんの発生率は年間100万人中1人で、単純比較で262倍。潜伏期間7年(今回の調査で7年間分のがんを見つけた)としても37.48倍だ。疫学エキスパートの津田敏秀・岡山大学教授は、これら様々な分析を行った上で「がんの潜伏期を考慮しても顕著な多発が起きている」「原因が被曝でないとすれば、原因不明の多発が起きている」とし、極端に甘い条件を当てはめない限り、統計的有意差は消えない、と結論付けた。
・
◆IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部:
福島の子供たちの甲状腺癌罹患数増加
ー原子力大惨事の最初の可視的インパクトか? 2013年9月3日
(2013年9月8日 ちきゅう座)から抜粋
IPPNW医師団体は、損壊されたフクシマ原子炉で放射線被ばく線量が激烈に上昇したことを、多大な懸念をもって見守っている。
また、健康被害を顧慮してみても警報解除への根拠がないのである。それどころか: IPPNWは、福島県の18歳未満の子どもたちにおける甲状腺がん罹患数の愕然とさせられるような増加に、「今後何年かの間に、異例の甲状腺がん罹患数の増加が予想される」として、危惧感を高めている。原子力災害が始まってから2年半後、甲状腺がん罹患数が18件に増えた。更に、がんの疑いがあると見られる25人の子ども(18歳未満 )たちは、これまでのところ未だ(摘出)手術を受けていない状況である。
IPPNWは、フクシマにおける甲状腺ガンの高い罹患率を、いわゆる「スクリーニング効果」のせいであるとする日本の科学者たちの分析に対して異議を申し立てる。そのような(スクリーニング)効果とは、集団スクリーニングによって発見された罹患の率が、一般住民における(病気の)症状を通して普通は明らかになる罹患率よりも高い場合のことを謂うのである。
IPPNWは、フクシマにおいて、チェルノブイリ最大想定事故後のように、多年にわたって、継続的に甲状腺ガン罹病率が増えていく可能性が強いと、みなしている。
「甲状腺ガンに罹った子どもたちは、甲状腺が全摘出されなければならない複雑な手術を受けなければならない。更に、摘出手術を受けた子どもたちは、定期的に血液検査を受ける方法によって正確に調整された甲状腺ホルモン剤を一生、服用していかなければならない。また、そればかりではなく、甲状腺ガンが再発するケースは稀でないため、アフターケア検診を定期的に受けなければならなくなる。」と、小児科医であるアレックス・ローゼン博士(IPPNW)は説明する。
更に、甲状腺ガンだけが放射線被ばくによってもたらせられる健康被害ではない。それ以外にも、白血病、固形腫瘍、他種のガン、免疫システムの低下、妊娠合併症、先天性奇形、流産が、フクシマにおいて発生するものと予測されている。それ故に、緊急に、日本における健康調査範囲を他の人口グループや、(放射線被ばくによって誘発される )他の罹病可能性ある疾病検査に拡大していかなければならない。
以上
【1985年にノーベル平和賞を受賞したIPPNWについて】
核戦争防止国際医師会議(かくせんそうぼうしこくさいいしかいぎ、International Physicians for the Prevention of Nuclear War: IPPNW)とは、核戦争を医療関係者の立場から防止する活動を行うための国際組織で、1980年に設立された。本部はマサチューセッツ州サマービル(Somerville)[1]。各国に支部があり、日本支部の事務局は広島県医師会内にある[2]。
米国のバーナード・ラウンとソ連のエーゲニィー・チャゾフが提唱した。1981年以来、現在は隔年で世界会議と地域会議を開催している[3]。83カ国、約20万の医師が参加している。1985年にノーベル平和賞を受賞。
・
◆放射能汚染地の子どもたちに病気が急増している(2013年5月5日)
甲状腺がんだけでなく心臓病なども増えています。原発事故の最大の責任がある東電と政府に「脱被ばく」や「補償」などのやるべきことをやらせる取り組みと平行して緊急を要する子どもたちと妊婦さんの「避難」「疎開」「移住」「保養」「留学」を進めていきたいと思います。