以下はサンパウロ新聞に掲載された記事です。
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ミナス・ジェライス州マッシャード市の有機無農薬コーヒーをはじめとする中南米の生産農場とのフェア・トレード(公正な貿易)を実施し、日本での輸入販売や環境保護活動などを行なっている(有)有機コーヒー社代表取締役の中村隆市さん(四九、福岡県出身)がこのほど、同市の名誉市民権を贈られた。去る十二月二十二日午後六時から同市議会で市議、農場関係者など約二百人が出席して授与式が行われた。中村さんの授与は外国人としては二人目。
この日、中村さんは同市に貢献した他の七人の授与者とともに会場前列に座り、日本人としては唯一の授与となった。
中村さんの授与は、今年五月に同市が世界で初めて指定された「有機コーヒー・キャピタル(首都)宣言」実現に尽力し、有機無農薬コーヒー生産地である「ジャカランダ農場」を通じたフェア・トレードの実施・貢献が認められたもの。
名誉市民に推薦したジョゼ・カルロス・ジニス市議会議長、ファビアーノ・シグノレッチ・レイテ市議の二人から記念プレートを手渡された中村さんは、昨年七月に惜しまれながら他界した農場主・故カルロス・フランコさん(享年七十五歳)のトレードマークだった帽子を手に登壇。「本来なら名誉市民権は私ではなく、カルロスさんやジャカランダ農場の人々が受けるべきもの。カルロスさんとの出会いは、私にとって宝物のような出来事でした。今年五月にオルガニック(有機)コーヒーのキャピタル宣言を行なったマッシャード市の名誉市民になることほど、嬉しいことはありません」と満面の笑みを浮かべ、世界にマッシャード市のことを広めていく考えを示した。
謝辞の最後で中村さんは、有機コーヒー社ブラジル側スタッフの牛渡クラウジオ氏と農場関係者たちへの感謝の意味を込めて「オブリガード」とあいさつし、会場から大きな拍手を浴びていた。