スロービジネス・スクールの新入生に送った返信から
●「あたりまえ」と「おかげさま」
「経済には、独り占めの経済(乾没)と分かち合いの経済(経世済民)の
二種類がある」と言った三浦梅園が、こんなことも言っています。
「枯れ木に花咲くに驚くより、生木に花咲くに驚け」
枯れた木に花が咲くと人々は、奇跡が起こったといって驚く。
でも、ほんとうに驚くべきことは、生きた木に毎年必ず花が咲くこと
ではないか、と梅園は言ってるのでしょう。
毎年、春がくると梅が咲き、桜が咲くことは、あたりまえのこと。
私たちが、朝起きて、目が見え、音が聞こえ、手が動き、足が動く
それもあたりまえ。
肺が働くから空気を吸える。胃や腸が働くから食べ物を食べられる。
心臓が働くから血液が全身を巡ることができる。これもあたりまえ。
あたりまえのことに対して、私たちはあまり関心を持たない。
だから私たちは、自分の身体に感謝することは、あまりない。
同様に、空気や水や食物を提供してくれる森や大地や海に対しても
あたりまえだから、あまり感謝することがない。
でも、こうした無数の「あたりまえ」が私たちのいのちを支えている。
「枯れ木に花咲くに驚くより、生木に花咲くに驚け」というのは、
「あたりまえのことに、奇跡が宿っている」という意味でもある。
この地球に生まれたこと、今、生きていること、それが奇跡的なこと
だと分かれば、そして、ありがたいことだと分かれば、人生が今までと
違うものになるかもしれない。
もし、「あたりまえ」に感謝できるようになったら、その人には
感謝できる相手が無数に増えることになる。
感謝できる相手が多いほど、その人は幸せを感じるかもしれない。
そして、周囲に幸せを広げていけるかもしれない。
「あたりまえ」と思っていたことを「おかげさま」と感じる人が
多くなったら、世界は大きく変わっていく気がします。
中村隆市
> はじめまして。7期3月生のETです。
> この度晴れてSBSに入学することができました。
> 赤村のクリキンディに行くたびに惹かれ続け、やっと念願が叶いました。
> 在校生の皆さん、新入生の皆さん
> どうぞよろしくお願いします。
>
> 中村コーチョー先生のメッセージ感動しました。
>
> 私は、「slow」という言葉が好きです。
> でも、その言葉のもっと根本に「おかげさま」があるのではないかと思います。
>
> 先日、全盲のカメラマンが撮った写真を見ました。
> 優しい作品達に癒されました。
> 彼は、被写体は何も見えません。でも
> 光を感じ、心の目でシャッターの瞬間が分かるのだそうです。
> 私は、見えるのが当たり前だと思っていた事に気づきました。
> そんな当たり前の事を本当に「おかげさま」なんだぁと感謝して生きていけたらいいなぁと思いました。
>
> それがつながってつながって・・・・。「happy slow」な世界が広がって行きますように。
<KNさんからのメール>
自分がこれから歩む道や世の中に対する自分のあり方が分からなくなっていた時にSBSの存在、いのちを大切にすること、スロービジネス、スローライフのことを 真剣に考えて取り組んでいる、中村さんや辻さんに出会えることができました。
環境問題や世界の貧困問題、経済や世の中について特に学んでこなかった私は、「どうしてなんだろう?」という疑問を抱きつつも、テレビなどの主なメディアが発表する情報を鵜呑みにしていました。
しかし、「スロー」というキーワードを辿って進んでいくにつれて、今まで学んできたことや思っていたこと、価値観が全然違うことにおどろき、 謎や矛盾点がひとつひとつほどけていくのを感じました。
中村コーチョー先生のメッセージで「おかげさま」という話がありましたが、
本当に今自分が生きているのはみんなのおかげで、食べものがあるのも、
食べることが出来るのも、たくさんの命をいただいているからだと思います。
そして、それは地球上に生きる生物はみんな同じで、人間もその循環の中の
一部分に過ぎない、虫や鳥と同じということですよね。
それなのに、人間ばかり勝手なことをしている…ということにつながっていくのでしょうか…。
自分なりの言葉で解釈してみましたが、もしニュアンスが違っていたら
容赦なく正してください(笑)
今、わたしは自然とのつながりを意識して生活するようになってから、
生きているのが前ほどつらくなくなりました。
自分も自然の中の一部なんだと思えるようになったからでしょうか。
私にできることは本当にささいなことですが、「おかげさま」の精神と
本当に「いのちを大切にする」スロービジネスの考えをまわりにも
広めて生きたいと思っています。
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スロービジネスに興味がある方は、私と一緒に学んでみませんか?