森林保険特会は廃止、刷新会議 もんじゅ予算は10%減 (東奥日報)
政府の行政刷新会議は29日午後、特別会計を対象とする事業仕分けで、山火事などによる損害を国が補償するための森林保険特会(農林水産省所管)を「国が保険を行う必要はない」として廃止と判定、民間など国以外への移管検討を求めた。
集中的に取り上げたエネルギー対策特会(経済産業、環境、文部科学3省)では、高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の研究開発など、文科省の2事業について「聖域化し、経理が不透明」として、2011年度予算要求額の10%程度削減とした。
これまで経産、環境両省が独占していた二酸化炭素(CO2)排出量削減事業について「どの省庁も自由に事業費を使えるようにするべきだ」と指摘。剰余金の不要分は一般会計へ繰り入れるよう求めた。
電源立地地域対策交付金に関しては「使途が限られ、不要不急の施設造りに使われているのではないか」との疑問が呈され、原子力教育支援など文科省の4事業も要求額を10?20%程度削減と判定した。
10年度末で廃止が決まっている登記特会(法務省)の情報提供事業に関しては、「法務省OBが多い指定法人に委託している」と問題視、抜本的な見直しを求めた。
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行政刷新会議の事業仕分けで、エネルギー対策特別会計について発言する蓮舫行政刷新相。左は民主党の枝野幹事長代理=29日午後、東京・池袋
(共同通信社)
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仕分け 高速増殖炉などで議論 NHKニュース
10月29日
29日の事業仕分けでは、エネルギー対策特別会計のうち、電力会社が支払う税金を財源にした「電源開発促進勘定」の中の文部科学省が所管する「高速増殖炉」などの2つの事業について議論が交わされ、「予算を1割程度減らすよう見直すべきだ」という結論がまとめられました。
29日に議論の対象となった「高速増殖炉サイクル実用化研究開発」は、プルトニウムを燃料に発電しながら、使った分より多くの燃料を生み出す「高速増殖炉」の実用化に向けた技術を開発するための予算で、来年度の概算要求に105億円が盛り込まれています。議論の中で、仕分け人が福井県敦賀市にある実験用の高速増殖炉「もんじゅ」で、ことし8月、原子炉内の燃料を交換のための装置が落下するトラブルが起きたことに触れ、「今後のスケジュールが不透明でわかりにくい」とか「『もんじゅ』の成果が実用化に向けてどうつながるのかわからない」といった指摘をしました。これに対して、日本原子力研究開発機構の鈴木篤之理事長や文部科学省の担当者は「トラブルによる今後のスケジュールへの影響はない」とか「もんじゅでの経験や成果は将来に向けて重要だ」と答えました。その結果、「一般の人にもっと理解してもらうために説明する必要がある」として、文部科学省の2つの事業について「予算を1割程度減らすよう見直すべきだ」という結論がまとめられました。また、29日は、これらの事業に先立って、原子力政策についての教育活動を支援する事業や、各地の環境中に含まれる放射性物質を調べる事業など、文部科学省の4つの事業についても議論が行われ、「1割から2割程度予算を減らすよう見直すべきだ」という結論がまとめられました。