福島の子どもたちを守るために、この動画を見て下さい

私は、1990年からチェルノブイリ医療支援に関わり、1992年から毎年のようにベラルーシやウクライナの病院に医療機器や医薬品を届けに行きました。そこで、病気に苦しむ多くの子どもたちに会い、医師から話を聞きました。

子どもが大人よりも放射能の被害を受けやすく、ガンや白血病で親よりも先に亡くなる子どもが多いことを知りました。そんな子どもたちの様子を、チェルノブイリ原発事故から5年後のベラルーシでNHKが取材しています。その貴重な映像がありますので、ぜひ多くの人に見ていただきたいと思います。

<チェルノブイリ小児病棟 5年目の報告> 
その1 その2 その3 その4 その5
この中の特に「その2」は、今、子どもたちが危機的な状況にある福島の皆さんにぜひ見てほしい映像です。子どもさんがいる皆さんには、数年後か数十年後に後悔しないために見ていただきたいと思います。

また、事故から20年後の2006年に制作された「チェルノブイリ 20年後の真実」も、今の日本にとって重要な番組です。チェルノブイリ原発から400km離れた地域で病気が多発したり、事故から20年も経って発病している様子なども報告されています。

<汚された大地で チェルノブイリ 20年後の真実>(NHK)
その1 その2 その3 その4 その5

「その3」に登場される日本人医師、武市宣雄さんと3回ほどベラルーシに同行しましたが、とても誠実な方です。ベラルーシに15年間通い続けている武市さんは、事故から20年経ってもガンが異常に多いこと、「大人の甲状腺ガンは増えていない」と被害を過小評価するIAEAに対しても事実を直視して情報を正しく伝えることが大切だと話しています。

今、日本でも大問題になっている放射性ヨウ素によってベラルーシでは200万人が被ばくしたこと。大地を汚染した放射能は農作物や牛乳を通して人体に取り込まれ、体内から被ばくする「内部被ばく」の怖さを番組は伝えています。

こうした事実をベラルーシで見聞きしてきた私は、今、日本で起こっていることが信じられません。福島県内は放射能の数値が高く、学校の安全基準を巡って、悪名高き原子力安全委員会ですら「(子どもの年間被曝量について)大人の半分の10ミリ程度に抑えるべきだ」との見解を示したにもかかわらず、文部科学省は、これまで人の健康を守るために定めていた「年間1ミリシーベルト」という安全基準をなんと、その20倍の「20ミリシーベルト」に変えたのです。

病院などの放射線管理区域の線量レベルが「年間5ミリシーベルト」であり、労働基準法では、18歳以下は、そこで働いてはいけないことになっています。その基準の4倍も大きい20ミリシーベルトに変えるというのは、子どもたちを人体実験するようなものです。

子どもの生命を最優先で守らなければならない文部科学省が、なぜ本来の基準を20倍にするような恐ろしいことをするのでしょう。子どものいのち以上に大切なものなどありません。文科省は、子どものいのちを守らずに何を守ろうとしているのでしょう。

日本では、マスメディアがほとんど報道しなかったため、あまり知られていませんが、原発に近い地域ほど白血病やガンの発症率が高いというドイツの調査結果があります。

<ドイツ連邦政府が行なった調査で、1980年かから2003年の間に、5歳以下で小児ガンと小児白血病を発症した子どもについて、ドイツ国内の22基の原発を含む16の原発の立地点から子供たちの居住地までの距離と発症の相関関係が調査された。約6300人の子どもたちのデーターから得られた結果は、原発から5km以内に住む子どもが小児ガン・小児白血病ともに他の地域と比べて高い発病率を示していた。小児がんで1.61倍、小児白血病で2.19倍という有意な結果で、統計的に高い発症率であることが明らかになった。> (引用ここまで)

また、2000年4月27日の東京新聞に以下の記事が出ています。
原子炉閉鎖で乳児死亡率激減」 最大で54.1%マイナス 米研究機関が発表

 【ワシントン26日大軒護】放射線の健康に与える影響を調査している米研究機関は26日、原子炉の閉鎖により周辺に住む乳児の死亡率が激減したとの調査結果を発表した。
 調査は免疫学や環境問題などを専門とする医師、大学教授などで組織する「レイディエイション・パブリック・ヘルス・プロジェクト」(RPHP)が、1987年から97年までに原子炉を閉鎖した全米7ヶ所の原子力発電所を対象に、半径80キロ以内の居住の生後1歳までの乳児死亡率を調べた。
 調査は、原子炉閉鎖前の死亡率と、閉鎖2年後の死亡率を比較しているが、それによると、87年に閉鎖したワイオミング州のラクロッセ発電所では、15.3%の死亡率減少だった。もっとも減少率の大きかったのが、97年に閉鎖したミシガン州ビッグロック・ポイント発電所周辺で54.1%の減少だった。減少は、がん、白血病、異常出産など、放射線被害とみられる原因が取り除かれたことによるものとしている。
(後略 引用ここまで)

つまり、原子炉(原発)が稼動している間は、乳児死亡率が高かったのが、原発が停止したら、大幅に乳児の死亡数が減ったということです。

上記のドイツと米国の記事から分かることは、原発というものは(事故が起こって大量の放射能が放出されなくても)日常の運転で放出される「微量」の放射能によって、白血病やガンが増えたり、乳児が死亡しているということです。

そのことを踏まえると、20ミリシーベルトという数字がより恐ろしくなります。
このまま文科省が子どもたちの人体実験を続けるのなら「高木義明文科相を殺人罪で告発する」という声も出始めました。

★できるだけ多くの人に見てほしい動画「チェルノブイリ100万人の犠牲者」


学校の放射線量、暫定基準を公表 文科省
(2011年4月20日1時36分 朝日新聞)

 福島第一原発事故を受けて、文部科学省は19日、福島県内の小中学校や幼稚園などの暫定的な利用基準を公表した。校舎や校庭を利用できるか判断する目安として、年間被曝(ひばく)量が20ミリシーベルトを超えないようにし、校庭の放射線量が毎時3.8マイクロシーベルト以上では屋外活動を制限することとした。

 現在、制限の対象は13施設。各施設に線量計を配り、変化を監視する。基準は8月下旬までに再検討する。

 今回の基準は、国際放射線防護委員会(ICRP)の「緊急事態収束後の年間被曝量は1~20ミリシーベルトの範囲で考える」という目安を参考にした。校庭の放射線量が毎時3.8マイクロシーベルト以上の学校などで屋外活動を制限する。

 この数値は、屋外で同じ線量を24時間、1年間浴びると仮定すると20ミリを超える。だが、木造校舎や室内で16時間過ごせば、被曝量は約6割になり、20ミリにおさまるという。

 この基準を超えたのは、福島市や郡山市、伊達市の13の小中学校、幼稚園、保育園(児童生徒ら3560人)。この13施設では、校庭や砂場での屋外活動は1日あたり1時間程度にとどめる。手洗いやうがい、帰宅時に靴の土を落とす、などを勧める。

 学校の汚染調査から、放射性物質が沈着した砂ぼこりを吸い込むことによる内部被曝の影響は、高い学校でも全体の被曝量の3.5%ほどで、考慮する必要はないと結論付けた。

 今後、1週間ごとに校庭や校舎の放射線量を測り、制限の解除を再検討する。

 学校の基準を巡っては、原子力安全委員会の委員が13日の会見で「(子どもの年間被曝量について)大人の半分の10ミリ程度に抑えるべきだ」との見解を示したが、翌日に正式決定ではないと撤回していた。

 原子力安全委員会の久木田豊委員長代理は19日、現実的には、校庭内の外に8時間以上いる可能性は低いことなどから「毎時3.8マイクロシーベルトを超えても、年20ミリを十分下回る見通しだと理解している」と述べた。(佐藤久恵)


★校庭の放射能基準に危機感を抱いた市民が文部科学省と原子力安全委員会に20ミリシーベルトの撤回を求めて交渉。
子どもの安全基準、根拠不透明~市民の追及で明らかにから

★数年後~数十年後の被害の予測
1985年にノーベル賞を受賞した「社会的責任を果たすための医師団」は、「被ばく線量に『ここまでは安全』というレベルはない。一定量までの摂取なら健康に害はないとする報道は間違いだ。健康に影響を与える最低量は100ミリシーベルトという報道があるが、確立された研究はこれを否定している。

100ミリシーベルトは100人に1人、10ミリシーベルトは千人に1人、1ミリシーベルトは1万人に1人がガンになるリスクを生む。低レベルであっても、何千人、何百万人が被ばくすれば一定割合の人がガンになる」と警告しています。

そして、ガンは氷山の一角に過ぎません。同じ「事故レベル7」のチェルノブイリでは、免疫力が低下し、内分泌系、循環器系をはじめとする様々な病気が増えました。

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