5月17日、郡山市で「放射能の内部被ばく」についての重要な講演会が開催されます。参加できる方はぜひ参加して下さい。
文部科学省が子どもの1年間の許容被ばく線量の目安を「20ミリシーベルト」と決めたことに対してノーベル賞を受賞した国際的な医師の団体が、「許容被ばく線量が高すぎる」と厳しく指摘しています。
欧米など世界の科学者から「子どもに年間20ミリは危険すぎる」と非難されている今、福島県では「子どもたちの生命と健康を脅かす」恐ろしい人がアドバイザーになって、「100ミリシーベルトまでは大丈夫」と暴言を吐いています。
そんな状況の中で、矢ヶ崎克馬さん(琉球大学名誉教授)の内部被曝の講演会が福島県内で開催されることがとても意義深いものだと思います。
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文科省は、「子どもへの内部被曝の影響は無視しうる」として、何ら対策をとろうとしていません。本当に恐ろしいことです。
講師の矢ヶ崎克馬氏は、広島原爆症認定集団訴訟に、内部被曝の専門家として長く関わって来られた方です。福島の人たちにも積極的にお手伝いをしたいとのことで、急な相談であったにもかかわらず、謝金不要で交通費のみで沖縄から飛んきてくださいます。
急な開催となりましたので、宣伝等、ご協力いただけましたら幸いです。
◆講演会◆
「内部被曝を避けるために
――怒りを胸に、楽天性を保って、最大防御を」
講師 矢ヶ崎 克馬氏(琉球大学名誉教授)
講師紹介
昨年『隠された被曝』(新日本出版社)という著書を出した、日本でも稀有な内部被曝の研究者です。3月のうちに福島を訪れて県内で土・空気・水の汚染実態の測定を行っています。機会あるごとに私たち福島県民に対して共感と助言を寄せて下さっています。
【日時】 2011年5月17日(火) 18:00 ~ 20:30
(開場は17 : 30)
【場所】 郡山カルチャーパーク内カルチャーセンター 展示室
所在地:福島県郡山市安積町成田字東丸山61番地
(会場TEL 024-947-1600)
アクセス:https://www.koriyamaculturepark.com/access
【入場無料】
◆「内部被曝」とは
体の中に入ってしまった放射性物質が体の内側から放射線を発し続けること。少しの量でも積算の被曝量が大きく、これを防ぐためにしっかりした対策を取ることが必要です。
私たちはこれからも、放射能で汚染されたこの福島の地で生きていきます。
その覚悟として、いたずらに怯えるのでも何かにすがるのでもなく、一人ひとりが内部被曝について正確な知識と有効な対策法を持つことが大切です。
それこそが本当の意味での「安心」・「安全」につながっていくのですから。
【主催】 「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」
お問い合わせ先(世話人)
早尾貴紀(070-6615-2989)/ p-sabbar[at]mrg.biglobe.ne.jp
小河原律香(090-2367-9345)/ pekapekao[at]gmail.com
(メールアドレスは、[at]を@にして使ってください。)
(チラシ裏面より)
◆被ばくを強要される子どもたち
文科省は、福島県内の子どもたちが学校での活動中に浴びても良い放射線量の基準として、年間20ミリシーベルトを適用しています。
これは、原発労働者の許容上限(5年で100ミリ)と同じ水準の被曝を強いるもので、白血病などを発症した場合には労災認定もされうるという、異常に高い数値です。
◆無視された内部被ばく
しかも、文科省の20ミリシーベルトには、「内部被曝」が考慮に入れられていないのです。内部被曝というのは、体内に入った放射性物質が体の中から直接に放射線を発し続けることです。
ですから微量でも積算の被曝量は大きく、将来的な影響も深刻なものとなります。体外から放射線を浴びる外部被曝だけでなく、内部被曝についてもしっかりと調査し対策をしなければなりません。
◆根拠なき「安全」が不幸を生む
さらに福島県に任命された「放射線健康リスク管理アドバイザー」は、年間100ミリシーベルトでも健康被害の因果関係はないとして、県内各地で「もう福島は安全である」と講演して回っています。
いま福島県で進行している事態は、チェルノブイリ原発事故の5年後や10年後(甲状腺癌や白血病の増加)を思い出しつつ自分たちの子どもの将来を考えたときに、あまりに安全からかけ離れた深刻な事態だと言わざるを得ません。
こうした意味で、このたび招聘する矢ヶ崎克馬氏のような内部被曝の専門家こそ県のアドバイザーとなるにふさわしい方であり、これから私たちがしっかりと防護や除染を行なっていくに際しても、的確な分析と助言を提示してくださるものと思います。