原発事故直後のデータに公表漏れ(NHK 6月8日 5:15更新)
東京電力福島第一原子力発電所の事故直後に、避難などの対策に生かすため実施された「緊急時モニタリング」などのデータの一部が公表されていなかったことが分かりました。
文部科学省は、これまで公表されたデータと大きく変わる値はないとしていますが、「混乱のなかで公表漏れがあったのは大変申し訳ない」と話しています。
公表されていなかったのは、避難や飲食物の摂取制限などを決める参考にするため、福島県が調査した「緊急時モニタリング」と土壌などの放射性物質の濃度を測定したデータの一部です。
公表漏れのデータは発電所から20キロ以上離れた地域で測定され、「緊急時モニタリング」は3月30日を除く3月16日から4月4日までのデータで、土壌などの放射性物質の濃度の測定結果は3月16日と17日のデータです。
文部科学省は、これらのデータはこれまで公表されたデータと大きく変わる値はなく、住民の防護対策に影響はないとしています。
文部科学省によりますと、今回の事故で国が地元と共同で実施する調査は、3月16日以降、文部科学省が公表することに決まっていましたが、福島県が独自に調査したデータはどちらが公表するか十分調整していなかったということです。
文部科学省は「福島県が発表していると思い込んでいた。混乱の中で公表漏れがあったことは大変申し訳ない」と話しています。
また、4月5日以降のデータについてはすべて公表していて、漏れはないとしています。
このほか、文部科学省が3月に実施した大気中や土壌の放射性物質の濃度を測定したデータについても、4日分、公表漏れがあり、これらのデータは順次ホームページなどに掲載していくとしています。