妊婦さんと子どもたちが放射能汚染地から離れる手伝いをしている団体に
メッセージを送りました。
1990年からチェルノブイリの医療支援に関わる中で7回ほど薬や医療機器を
持参して現地の病院を訪問しました。また、ベラルーシの汚染が少ない地域に
サナトリウム(療養所)を開設して、子どもたちに療養してもらいました。
安心して空気が吸えて、安心して水が飲めて、安心して食べ物が食べられて、
安心して大地で遊ぶことができる施設です。子どもたちを見ながら思ったのは
「どうしてこんなに子どもたちの被害が多いのか」ということでした。
子どもたちは放射線に弱いのです。できるだけ外部被ばくと内部被ばくを
避ける必要があります。
文部科学省が設定した子どもの被ばく線量「20ミリシーベルト」問題で、
米国、オーストラリア、ドイツなど世界から批判の声が上がっています。
もともと日本の被ばく上限は、1ミリシーベルトでした。
イギリス、ドイツは0.3ミリシーベルトを設定しています。
(ドイツ政府の調査で、原発に近いほど小児白血病とガンが多発している)
20ミリシーベルトという数値はその66倍であり、チェルノブイリ原発
事故の避難基準であった5ミリシーベルトの4倍にもなります。
その基準でもウクライナやベラルーシでは病気が多発しました。
ガンや白血病だけでなく様々な病気が増えていったのです。
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チェルノブイリ事故被災者の罹病率(1万人当り)
大人と青年 14歳以下の子供
1987年 4,210 7,866
1994年 12,559 16,026
(注)罹病率は1人で複数の病気を持つ人もいるため1万人を
超えている。
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厳重な放射能管理下の住民の罹病率(1996年 1000人当り)
(自然放射線を除いて)年間1ミリシーベルト未満の地域
被災者 ウクライナ全体の平均
造血器系の病気 30.2 12.6
循環器系の病気 430.4 294.0
内分泌系の病気 54.2 37.8
消化器系の病気 280.9 210.1
骨・筋肉系の病気 333.0 307.1
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※出典
チェルノブイリ事故による放射能災害 国際共同研究報告書
今中哲二編(技術と人間)P41
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中村隆市(ウィンドファーム代表/スロービジネススクール校長)