独議会 全原発停止法案を可決
7月1日 4時48分 動画あり
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、ドイツのメルケル政権が打ち出した、2022年までにドイツ国内のすべての原発を廃止するとした法案が、連邦議会で可決されました。
ドイツのメルケル政権は、東京電力福島第一原発の事故を受けて、ドイツ国内に17基ある原発の稼働期間を平均で12年間延長するとしていた政策を転換し、2022年までにすべての原発を段階的に廃止することを、先月6日に決め、そのための8つの法案を連邦議会に提出しました。連邦議会は、先月30日、これらの法案について最後の審議を行ったあと採決し、その結果、8つの法案はいずれも賛成多数で可決されました。脱原発法は、連邦参議院の承認を経て、来月中にもウルフ大統領が署名して正式に成立する見通しです。ドイツ政府は、去年、電力に占める自然エネルギーの割合を、2050年までに現在の17%から80%まで高めることを決めています。しかし、電力の22%を賄っている原発の分を自然エネルギーだけで直ちに補うことはできないことから、当面は火力発電所を増やして電力の安定供給を図ることにしています。ヨーロッパでは、福島第一原発の事故のあと、ドイツのほかにもスイスやイタリアが相次いで脱原発を決めています。
【ベルリン時事】ドイツ連邦議会(下院)は30日、国内にある17基の原発全てを2022年までに廃止することを盛り込んだ政府法案を賛成多数で可決した。法案は、各州代表で構成する連邦参議院(上院)でも7月8日に承認される見込みで、ドイツは太陽光や風力など再生可能エネルギーへの転換を本格化させる。
採決の結果は賛成513、反対79、棄権8。連立与党のキリスト教民主・社会同盟と自由民主党に加え、野党の社会民主党、90年連合・緑の党も賛成した。運転停止中の8基はそのまま閉鎖し、残りは15、17、19各年に1基ずつ、21年と22年に3基ずつ廃止する。
メルケル政権は昨秋、社民党と緑の党によるシュレーダー前政権の脱原発方針を覆し、原発稼働期間の延長を決めた。しかし、福島第1原発事故後、高まる反原発の世論を背景に政策を転換した。(2011/06/30-22:59)