大飯原発1号機停止へ 冷却装置トラブル 16日夜にも (朝日新聞)
関西電力は16日、大飯(おおい)原子力発電所1号機(117万5千キロワット、福井県おおい町)を手動停止する、と発表した。緊急時に原子炉の炉心を冷やすために使うタンクの圧力が下がるトラブルがあり、原子炉を止めて原因を調べるという。関西の夏の電力需給はさらに厳しくなる見込み。
関電によると、トラブルが起きたのは、事故時などに冷却水を注入するために複数設置されている「蓄圧タンク」の一つ。15日午後10時46分に異常を知らせる警報が鳴り、圧力を確認したところ保安規定上の制限値を下回っていた。圧力が低下すると緊急時に冷却水を注入できなくなる恐れがあるという。
安全確保のため、16日午後1時ごろから出力を低下させる作業に入り、午後9時ごろには原子炉を停止する。トラブルによる環境への影響はないとしている。
関電、大飯原発1号機停止へ 復旧時期のメド立たず
出力の3.8%、関西で電力需給一段と厳しく
日本経済新聞 2011/7/16 11:18
関西電力は16日、大飯原子力発電所1号機(福井県おおい町、出力117万5000キロワット)で、同日午後1時ごろから同午後9時ごろにかけて原子炉を手動停止させると発表した。15日夜に緊急冷却用のホウ酸水をためる「蓄圧タンク」の圧力が保安規定の制限値を下回ったため、原子炉を止め原因を調べる。復旧時期のメドは立っていない。放射能漏れはないという。
大飯1号機の出力は関西電力全体の3.8%。停止により7月中に関電の全原発11基中7基が稼働しない状況となり、夏場の電力需給は一段と厳しくなる。
大飯1号機は東日本大震災の発生直前に再起動し約4カ月、定期検査の最終段階として最大出力で発電をしながら設備を確認する「調整運転」を異例の長期間続けてきた。原因は停止後に詳細調査するが、現時点では配管などの外観に異常は確認されておらず、タンクの安全弁が誤作動した可能性が考えられるという。
関電は7月末時点の供給能力を当初3100万キロワットと見込んでいたが、供給能力は2983万キロワットに低下する。想定する最大電力需要に対し、供給能力は7月末時点で5%不足する見通しだ。
関電は他電力会社への電力融通要請などで供給上積みを目指すほか、引き続き利用者に対しては昨夏比15%の節電に協力を求める。