環境省に「原子力安全庁」 政府試案、保安院を経産省から分離
(2011年8月3日 14時14分 中日新聞)
政府が検討している原子力規制機関の再編試案が、明らかになった。経済産業省から原子力安全・保安院を分離し、内閣府の原子力安全委員会などと統合した上で、環境省の外局に「原子力安全庁」(仮称)を設置することが柱。来年4月の新体制発足を目指す。
試案では「原子力の規制と利用の分離で、信頼される新たな規制機関を設置する」と明記。具体的には、保安院を経産省から切り離し新組織を設置する。文部科学省の放射線モニタリング部門も移管する。
同じく新組織に統合される安全委については、これまでのチェック役としての役割を見直し、専門的な知見を生かして助言する「原子力安全審議会」(仮称)に再編する。
新組織を環境省の外局とするのは、原発行政にあまり関与してこなかった同省に置くことで経産省の影響力を排除する狙い。
委員会でなく行政庁とするのも、立案だけでなく執行権限まで持たせるためとみられる。
試案では、原発事故発生時の初動対応も同庁の重要な役割とし「緊急事態専門官」を置く。核テロ対策も同庁の所管とした。
原子力規制機関の再編をめぐっては、福島第1原発事故を受け、原発立地を推進してきた経産省の中に規制機関の保安院があることや、保安院と安全委との役割分担が不明確なことが問題視されていた。
細野豪志原発事故担当相が試案を検討していた。
(中日新聞)
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環境省に原子力規制「庁」 保安院、安全委を統合
(2011年8月3日 12時18分 中日新聞)
原子力規制の行政組織再編に関する細野原発事故担当相の試案が3日、明らかになった。東京電力福島第1原発事故を踏まえ、原子力を推進する立場の経済産業省から原子力安全・保安院を切り離し、内閣府の原子力安全委員会と統合した新組織を環境省の外局の「庁」として設置するのが柱。細野氏が近く試案を発表し、政府として来年4月発足を目指す。
新組織については「委員会」案と、行政庁とする案が浮上していたが、安全や規制を行政として実施するには「庁」が望ましいと判断。
細野氏は、機能を新組織と統合した後の原子力安全委員会を内閣府の審議会として残すことも検討する。
(共同)