3人の女性知事 原発に対する見解の相違    

放射能の被害が全国に広がっている中、特に原発が集中立地する福島、新潟、福井に隣接する県の住民には不安が高まっている。そうした背景もあって、山形県の吉村美栄子知事と滋賀県の嘉田由紀子知事が「卒原発」を共同提言した。

 一方、経済産業省出身で、泊原発3号機でのプルサーマル発電を認可した高橋はるみ知事は、福島の原発事故を経験しても、保安院の「やらせ」問題や「泊原発の検査記録改ざん」があっても、「原発再開」の姿勢は変わらないようだ

知事が自ら態度を変える可能性は低い。原子力安全委員会は、国民の安全を守ろうという意識がまったくない。「再稼動」を止められるかどうかは、国民がどう考え、どう意思表示をするか、世論(市民力)にかかっている。特に、北海道の市民がどう意思表示するかにかかっている。


「卒原発」共同提言へ 山形・滋賀知事、政策転換訴え
(朝日新聞 7月11日15時1分) 

 山形県の吉村美栄子知事と滋賀県の嘉田由紀子知事が、12、13日に秋田市で開かれる全国知事会議で、原発依存からの脱却と太陽光など代替エネルギーへの転換を訴える「卒原発」を共同提言する。原発の安全性に不安が広がるなか、国に対しエネルギー政策の転換に向けた規制緩和や財政措置を求め、他の都道府県知事にも賛同を呼びかける。

 提言は、電力供給の約3割を占める原発の即時停止は「現実的でない」としつつ、放射性廃棄物の処理や放射性物質の環境リスクなどの問題点を指摘。「原発への依存度を徐々に少なくし卒業できるような『卒原発』が望ましい」と主張する。そのうえで、太陽光や風力、水力、地熱などの再生可能エネルギーの導入を加速するため、国に対し法的な規制緩和や財政的な支援を求めている。

 両知事が提言を出す背景には、原発が集中立地する福島、新潟、福井各県に隣接する県内の住民に不安が高まっていることがある。

 吉村知事は6月、福島での原発事故を受けて「安全性、コストの面で原発は今までのような有効なエネルギーではない」と表明。風力や太陽光発電などの導入を進める考えを示した。嘉田知事も、関西の水源である琵琶湖の一部が原発30キロ圏内に入ることなどを踏まえ、「できるだけ早くハイリスクな原発をやめるべきだ」と主張してきた。

 朝日新聞が5~6月に実施した原発政策に関する全国知事アンケートでは、47都道府県の知事のうち吉村、嘉田両知事だけが、将来的な原発のあり方について「やめる」と回答。両知事は今月8日に電話で会談し、共同提言を出すことで合意したという。(千種辰弥、中野龍三)


泊原発3号機、来週にも再開容認 道知事「時間かけない」 (共同通信)

 北海道の高橋はるみ知事は12日の記者会見で、定期検査で調整運転中の北海道電力泊原発3号機(泊村)の営業運転再開に対する道の判断について「ゆっくりと時間をかける性格のものではない。お盆休みは関係ない」と強調した。来週にも再開を容認する見通し。

 原子力安全委員会が経済産業省原子力安全・保安院の最終検査をチェックする形を取った政府対応に関しては「法的根拠はないが、官邸の強い思いの下で行われたのは評価する」と述べた。

 道は、営業運転再開をめぐり道議会や地元4町村の意向を確認中。道議会は、原発問題を話し合う特別委員会を週明けに開催する方向で検討している。
2011/08/12 17:01 【共同通信】

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嘉田滋賀県知事「異端者となっても『卒原発』」 原発立地県が反発も
2011.7.26 20:40

 滋賀県の嘉田由紀子知事は26日の定例会見で、原子力発電所への依存度を徐々に減らし、自然エネルギーへの転換を目指す「卒原発」を打ち出したことに原発立地県から反発が広がっていることを認め、「リスクがある原発から離れるには自然エネルギーしかない。異端者となっても卒原発を言い続ける」と強調した。

 嘉田知事は今月12、13の両日に秋田市で開かれた全国知事会議で、山形県の吉村美栄子知事と共同で「卒原発」を提言。原発立地県の知事から、反発する発言が相次いだという。

 嘉田知事は「原発立地県は悩みながら原発と向き合ってきた。反発は当然と受け止めている」とする一方で、「原発がないと経済が成り立たないといったことばかり。福島第1原発事故で避難している被災者への配慮がない」と批判した。

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