子どもの安全守るため独自基準 年間1ミリSV、毎時0.19マイクロ

千葉県野田市と埼玉県和光市が、子どもの安全守るため
独自基準 年間1ミリシーベルト、毎時0.19マイクロを設定している

安全守るため独自基準 年間1ミリシーベルト、毎時0.19マイクロ 
8月12日 西日本新聞から抜粋

安全守るため独自基準
千葉県野田市長 根本崇氏

ー原発事故による放射線対策として、自治体の基準値としては全国で最も厳しいレベルを設定した。その経緯はどうだったか。

「野田市を含む柏市、松戸市など千葉県北西部の東葛地域の数値が高い、ホットスポットだとの報道が週刊誌などで続き、市民の不安が高まっていた。測定機器や方法の違いによる数値のばらつきという問題点はあるにせよ、数値が高いことは事実らしいと。そこで5月末に周辺6市が集まり、同じ方法で調査したところ、野田市の1ヵ所を含め6市の計15ヵ所が年間では1ミリシーベルトを超過するという数値が出た。基準値について文部科学省に質問書を出したが、明確な対策は示されない。ならば独自に対応するしかないと考えた」

ーその被ばく限度基準を年間1ミリシーベルト、毎時0.19マイクロシーベルトに設定した理由は。

国は当初、暫定的な目安として年間20ミリシーベルト、屋内と屋外の滞在時間を勘案して毎時3.8マイクロシーベルトという数値を出したが、『高すぎる』と批判を浴び、年間1ミリシーベルトを目指すと修正した。福島県への適用という話だったが、市民の安全を考えれば、最も厳しい基準値を選ぶべきだと、独自の基準を打ち出した


被ばく限度:千葉・野田市が独自の基準 幼小中などに 1ミリシーベルト
(6月22日 毎日新聞)

千葉県野田市は22日、放射線の被ばく限度を年1ミリシーベルト、毎時0.19マイクロシーベルトとする独自の基準を定め、市内の幼稚園や小中学校などで基準を超えた場合は対策を実施すると発表した。同市など同県北西部は周辺に比べ放射線量が比較的高いが、各自治体は「国が定めた上限の年20ミリシーベルトは超えない」などと対策を見送り、保護者から異論が出ていた。国とは対照的な厳しい対応で、他の自治体にも影響を与えそうだ。

 同市によると、国際放射線防護委員会(ICRP)の通常時の目安の年1ミリシーベルトを参考に決定。屋外で1日8時間活動する前提で毎時の値を算出した。今後、市内全ての保育園、幼稚園、学童保育所、子ども館、小中学校で線量を測定する。

 さらに、基準を超えた施設では、施設内で詳細な測定を実施。(1)毎時0.3マイクロシーベルトを超える場所(すべり台や砂場など)への立ち入りを禁止(2)帽子着用と手洗い・うがいの励行(3)保育士に線量計を持たせ、累積線量のデータを収集 という対策を行う。

 市内では県の先月末の測定で、保育所1カ所で1時間当たり0.25マイクロシーベルトを計測。この保育所では既に、これらの対策をとった。

 この問題を巡って文部科学省は4月、上限を年20ミリシーベルトとし、毎時3.8マイクロシーベルト超の場合、屋外活動を制限する基準を公表。5月になって、「不安感解消のため」として年1ミリシーベルトを新たに目標として掲げたため、保護者の間には混乱が生じていた。

 根本崇市長は「子どもには一番低い年1ミリシーベルトを取るべきだ。周辺が『ホットスポット』と言われている現況を打開するには、基準をはっきり決めることが大切だ」と説明する。

 周辺自治体には戸惑いも広がる。野田市を含む周辺6市は6月8日に対策協議会を結成し、測定方法や評価の基準を統一することにしていた。県や6市の測定によると、柏市など4市では全測定地点が野田市の基準値を超えており、柏市の秋山浩保市長は「野田には野田の事情があったのだろう」と話す。

 学校や幼稚園の土の入れ替えを求めて1万人以上の署名を柏市に提出した主婦、大作ゆきさん(33)は「野田市民がうらやましい。行政は早く対応してほしい」と話した。

毎日新聞 2011年6月22日 22時00分


子供を守ろう[save child]
【放射線量】埼玉県和光市、年間1ミリシーベルトを基準に
から抜粋

(7月29日付のお知らせ)
放射線量暫定基準の設定及び小中学校・保育園の対応について

市では原発事故の子どもたちへの影響を考慮し、今後、市内の空間放射線量の値が増加した場合に備えて、国から安全基準が示されるまでの暫定的な放射線量の基準を定め、小中学校と保育園の子どもたちへの安全対策を講じることにしました。

1.暫定基準値

国際放射線防護委員会(ICRP)が定める、年間1ミリシーベルトを基準とし、1時間当たりの放射線量に換算すると、0.19マイクロシーベルト/時間 となるため、この数値を暫定基準値とする。

※1時間当たりの放射線量算定方法
1日24時間の生活を、屋外8時間、屋内16時間とし、屋内の放射線量は、屋外の数値に0.4を乗じた値とする。

2.基準測定局

理化学研究所内のモニタリングポストの値を基準とする。

3.基準を超えた場合の対応について

0.19マイクロシーベルトを超えた場合、小中学校、保育園の屋外での活動時間を2時間以内とし、家庭生活等、学校・保育園以外での活動時間を含め、1日トータルでの屋外活動時間を4時間以内とする。
また、このことについては、各小中学校、保育園の保護者に伝え、家庭生活での外出の時間、マスクの着用等を呼びかける。

4.その他

市内の他の場所での測定値が、暫定基準値(0.19μSv/h)を超えた場合は、その場所で再度複数のポイントで測定を実施し、その測定結果をもとに、屋内・屋外の滞在時間を勘案して年間放射線量を算定し、実際に年間1ミリシーベルトを超えるかどうかを精査して、適切な対応を取るものとする。

https://www.city.wako.lg.jp/home/busho/_5928/_5938/_10679.html


「子どもには年1ミリシーベルト適用を」山内神戸大教授
神戸新聞から抜粋

年20ミリシーベルトは国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告する一般人の限度の20倍で、事故復旧時の「現存被ばく」の参考レベル上限値だ。

 ICRPは3月21日に公表した見解で「長期的な目標としての参考レベルは、年1ミリシーベルトに低減させることを視野に1~20ミリシーベルトの範囲から選択することを勧告する」としている。1~20ミリシーベルトの範囲なら、放射線感受性が大人より高い子どもには、厳しい基準である1ミリシーベルトを選択すべきだ

 旧ソ連・チェルノブイリ原発事故の影響を調べるため、スウェーデンの学者が同国北部の大規模な疫学調査をした。

 114万人を対象にした8年にわたる調査で、セシウム137の土壌汚染とがん発症率の間に関連がうかがえた。1平方メートル当たり100キロベクレルの汚染地帯では、がんの発症率が11%も高かった。

 国が5月6日に発表した福島県の汚染マップでは、1平方メートル当たり3000~1万4700キロベクレルの汚染地帯が帯状に広がり、原発から60~80キロ圏でもスウェーデン北部を上回る高濃度の汚染が確認できる。現行の避難計画が適切だとは思えない。あらためて基準や計画の見直しを求めたい。

※全文

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