北海道電力:やらせ指示 泊原発プルサーマル巡り、社員にメール 08年シンポ
(毎日新聞 8月27日 北海道朝刊)
北海道電力は26日、泊原発(北海道泊村)3号機のプルサーマル計画を巡り、08年10月に実施された道主催のシンポジウムで社員に計画推進の意見を述べるよう求める電子メールを送っていたと発表した。九州電力の「やらせメール」問題などに続き、北電でもやらせが発覚。道は09年3月に計画を容認しているものの、今後は計画の再考を迫られる可能性も出てきた。
北電などによると、メールはシンポ開催の9日前に当たる08年10月3日、北電泊原子力事務所渉外課名で送信し、社内の21部署に送られていた。文書のタイトルは「『プルサーマル計画に関する公開シンポジウム』への参加協力について」とし、本文で「計画を確実に進めるため、数多くの方にご参加いただき推進意見を提出していただければと思っております」と記されていた。
メールは共産党北海道委員会が入手し、26日午前に公表。北電が社内調査したところ、社員11人が「メールが残っていた」と申し出たほか、メールを受け取った記憶がある社員が2人いた。メールの発信者は確認できていないという。
北電の佐藤斉広報部長は同日夜、記者会見し、「意見を誘導したと疑念を持たれたことは大変申し訳ない」と陳謝した。今後、メールが送信された経緯や影響などを調査する。
シンポは泊村に近い岩内町と札幌市で開かれ、聴衆計469人が参加。有識者による講演やパネルディスカッション、質疑があった。聴衆237人が回答した終了後のアンケートでは「疑問を十分取り上げられたか」との問いに、51%が「そう感じる」か「だいたい、そう感じる」と答えた。【吉井理記、高山純二】
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北海道電「やらせメール」 泊原発シンポで
(朝日新聞 8月26日21時26分)
北海道電力泊原発(北海道泊村)3号機へのプルサーマル導入をめぐり開かれた公開シンポジウムで、賛成意見を言うように北電の現地事務所が社員に促したメールを入手したと、共産党道委員会が26日、記者会見で発表した。北電は同日夜に記者会見し、「調査した結果、メールを送った事実が判明した」と認めた。
このシンポは北電のプルサーマル導入の申し入れを受け、住民の意見を聞くため、道と地元4町村の主催で2008年10月12日に地元の岩内町で開かれた。その後、高橋はるみ知事はプルサーマル導入の受け入れを表明している。
共産党によると、メールは同年10月3日付で、北電泊事務所渉外課が泊原発の21部署に送信した体裁になっている。「『プルサーマル計画に関する公開シンポジウム』への参加協力について」と題したファイルが添付され、「プルサーマル計画を確実に進めるためにも、数多くの方にご参加いただき推進意見を提出していただければと思っております」などと書かれていた。