核燃料再処理工場について

柏崎刈羽原発が地震によって放射能漏れ事故を起こしたことで、原発の危険性が
全国に知れ渡りました。耐震設計を大幅に超えた揺れは最大2058ガルでした。

しかしその一方で、柏崎と同様に地盤が弱い場所に建てられ、原発以上に危険な
再処理工場が、450ガルの耐震設計で本格稼動を始めようとしています。
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地震大国の日本でこのことは大きな問題ですが、再処理工場の場合、地震の問題
以前の大問題を抱えています。それは、仮に工場が地震で事故を起こさなくても
「日常的に放射能を放出する」ということです。


地元での反対運動は、計画段階を含めると30年以上も続いていますが、全国に
この問題が広く知られるようになったのは、昨年からです。このブログでも昨年
春から再処理工場の問題を書いてきました。
坂本龍一さんなどアーティストの動きは、若い世代に大きな影響を与えました。
https://stop-rokkasho.org/information/
彼らは、問題点だけでなく解決方法も分かりやすく伝えています。
https://stop-rokkasho.org/information/ja/09.html
スロービジネススクールでは、若い世代が問題を分かりやすくまとめたブック
レットをつくり、専門家による講演DVDも製作しました。
関連ブックレット関連DVD関連DVD
また、できるだけ多くの人に知ってもらうため、市民が協力して3000万部の
号外を発行。「豪快な号外 言いだしっぺのひとりごと」を書きました。
 この豪快な号外をつくろうと思ったきっかけを話したいと思います。
チェルノブイリ原発事故で最も被害を受けたベラルーシ共和国の医療支援に
1990年から関わり、現地に医薬品や医療機器を届ける中で、ナターシャという
女性と出会いました。事故から10年、息子さんが白血病と甲状腺がんを患って
亡くなり、一昨年は娘さんが胃がんで亡くなりました。
今、ナターシャは娘が残した幼い孫の世話をしながら「孫がいつまで元気で
いてくれるだろうか、体調の悪い私がいつまで孫の世話をできるだろうか」と
心配しています。放射能による健康被害で特に怖いのは、細胞分裂が活発な子
どもほど大きな被害を受けるため、親よりも子どもが先に亡くなることが多い
ことと被害が長く続くことです。
 そんな被害の実態を見続けてきた者として、青森県六ヶ所村の核燃料再処理
工場のことが一般に知られていないことを危惧しています。11月に本格稼動が
始まると、原発が1年間に放出する放射能をわずか1日で放出します。その結
果、農産物や海産物が汚染されることを青森県も認めており、1年間で米が90
ベクレル、魚が300ベクレル放射能で汚染されると予測しています。
 食料自給率が40%の日本を支えてきた東北や北海道の食べ物が汚染されたら
日本はどうなるのでしょう。こんな重大なことを多くの日本人が知らないまま
11月からの本格稼動が始まろうとしています。この問題を皆が知った上で「本
当に再処理工場を稼動させるかどうか」を国民皆で考えたい、というのが私が
この号外を作りたいと思った一つのきっかけです。
 ドイツでは85年に再処理工場を建設しましたが、安全性の問題から稼働を中
止し、工場跡地に太陽電池工場をつくりました。私たちが選挙で環境重視の議
員を選べば、自然エネルギーを大胆に推進することができます。
 温暖化も放射能汚染もない世界をつくりましょう。私たち一人一人には、大
きな力が宿っています。皆の力を合わせて、いのちを大切にする社会をつくり
たい。そんな願いを込めてこの号外をつくりました。
                      中村隆市(株式会社ウインドファーム代表)
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たくさんの反響がありました。一部に「風評被害につながる」と匿名の批判も
ありましたが、その多くは「こんなことが起こっているなんて知らなかった」
「なぜ、マスコミは報道しないのか」「もっと詳しく知りたい」「何とか本格
稼動を止めたい」「私に何ができるでしょうか」といった声でした。
こうした新しい取り組みと数十年前からの地道な運動が多様に展開される中で、
これまでにない大規模な運動が始まりました。
25年以上も前から日本に有機農業を広めてきた大地を守る会や合成洗剤から
石けんに切り替えて河川と海を守る運動に取り組んできた生活協同組合などが
「六ヶ所再処理工場」の放射能から食べ物を守るネットワークをつくりました。
大地を守る会
グリーンコープ
そして、漁協と連携して動き始めました。
関連サイト
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内閣総理大臣と経済産業大臣あての署名を呼びかけています。
<豊かな自然を放射能で汚さないでください>
私たちは海と自然の恵みで生活をしています。それは何百年、何千年と続く先人
たちの努力のお陰です。だからこそこの豊かな海と自然を守り、次の代、またそ
の次の代へと引き継いでいきたいと願っています。
しかし、青森県六ヶ所村に建設された核燃料再処理工場が完成し、年内にも本格
稼動すると云われています。日本原燃は「廃液は大量の海水で希釈される」など
と安全性を強調し、また、経済産業省の原子力安全・保安院も計画を認めていま
す。
しかも住民や漁業者に対して、具体的な説明もないまま本格稼動に踏み切ろうと
しており、私たち漁業者としては、放射性物質を含む廃液が青森県沿岸の太平洋
に放出されることから、海洋汚染や水産物への影響が懸念されます。
また、消費者からは、食の安全と健康への影響を心配する声があがっており、特
に安全性が確認されたとしても風評被害は免れず、三陸の漁業者にとっては死活
問題に発展します。私たちの生活の糧は海しかありません。安心できる未来のた
めに海の環境を守り続け、消費者が安心して食べられる水産物を供給していきた
いと願っています。
これは青森県六ヶ所村の近くに住む私たちだけの問題ではありません。日本の自
然が汚染されることでもあり、さらに地球が汚染される危険性がありますので以
下の事を求めます。
1.海に放射能を捨てないでください。
2.放射能放出測定を行い、きちんと情報公開してください。
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また、将来的に健康被害を受ける可能性が高いサーファーも動き始めました。
Surfrider Foundation. Japan
若い世代が中心に全国一斉街頭署名を呼びかけています。
関連サイト
関連ブログ
「1億2千万人の再処理工場モラトリアム・キャンペーン」
キャンペーン情報

署名用紙(2種類)
署名用紙
署名用紙
こうして見ていくと、とてもいい流れができつつあります。署名でも人に伝える
でも何でもいいと思います。子どもや孫たちの世代が放射能で苦しむようになる
前に、私たちにできることを少しずつでも実行していきたいと思います。
※「温暖化を防ぐために原発が必用」という言い方をする人がいますが、日本は
これまで原発関連ばかりに莫大な税金を注ぎ込み、自然エネルギーにはわずかな
予算しか投入してきませんでした。その間に環境先進国では、どんどん自然エネ
ルギーを普及させてきました。
もし日本が、これまで原発に注ぎ込んできた税金を自然エネルギーに注ぎ込んで
いたら日本は「世界一の自然エネルギー大国になっていただろう」とも言われて
います。今からでも遅くありません。「目先の経済成長」(GDP、GNP)を
追いかけて人々を不幸にするより、自然エネルギーと省エネで世界をリードして
人々をハッピーにするようなGNH(国民総幸福)大国になりたいものです。
また、日本に限らず世界が省エネと自然エネルギーをすすめるしかない理由は、
ウランに放射能の問題があるだけでなく、埋蔵量が石油や石炭よりも少ないから
です。(以下の資料の図10再生不能エネルギー資源の埋蔵量を参照)
関連資料
化石燃料やウランなどの地下資源は、数十年から数百年でいずれなくなります。
長い目で見れば、これからは再生可能な自然エネルギーを進めるしかないのです。

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