NHKのETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図 3 子どもたちを被ばくから守るために」を見た。多くの人に見てほしい内容だった。その概要と番組を見た「もんじゅ君」のレポートを紹介したい。
ETV特集 2011年8月28日(日) 夜10時
ネットワークでつくる放射能汚染地図 3 子どもたちを被ばくから守るために
事故直後から現地に入り、独自調査によって福島第1原発事故の放射能汚染の実態を解明した「ETV特集 ネットワークでつくる放射能汚染地図」(5月15日放送)。放射線総合医学研究所、労働安全衛生総合研究所をへて、現在、獨協医科大学准教授を勤める木村真三さんと、元理化学研究所の岡野眞治さんは、その後も汚染マップ作りを続けている。今最も力を入れているのが避難区域に指定されていない地域での詳細なマップ作り。土地の汚染から人体そのものへの汚染について調査を深めている。
福島第1原発から33~70キロメートルの範囲にある二本松市では、毎時1マイクロシーベルトを超える放射線量が広い範囲で計測されている。市が独自に500メートルのメッシュを区切って市の全域で調査を行ったところ、一部の地域で毎時2~3マイクロシーベルトを記録するいわゆる“ホットスポット”が見つかった。そこでは子供から大人まで大勢の人々が毎日放射線を浴びながら暮らしている。木村さんは最も高い線量を記録した家の庭の土壌を採取し長崎大学の高辻俊宏准教授に分析を依頼、そこに住む家族全員の個人被ばく線量も調べた。内部被ばくに関しては、岡野眞治さんが開発した簡易型のホールボディカウンターを二本松市に持ち込み、体内の放射線スペクトルを測定。結果はすべて家族に伝えられ、どう対処すればいいのか話し合いが行われた。家族には生まれたばかりの赤ちゃんがいた。彼らはどういう決断をするのか。
一方、それより数倍も高い放射線にさらされ続けた飯舘村の人たちは、自分の子どもや孫のこれまでの被ばく量を早急に調査し記録に残して欲しいと訴えてきた。どれだけ被ばくしたのかを知らなければ、将来健康被害がでないよう備えることすらできないからだ。子どもたちの体からは半減期の短いヨウ素131はすでに検出されなくなっている。しかし今回木村さんと岡野さんは、事故後に測定した飯舘村近辺のスペクトルデータや土壌の分析結果からヨウ素とセシウムの比率を導き出し飯舘村の子どもたちのホールボディカウンター検査の結果と照らし合わせることでヨウ素被ばくの量を推定できるかもしれないと新たな解析を始めた。
番組は、広域のマップ作りからより詳細な家の内部にまで及ぶミクロなマップ作りへ、そしてホールボディカウンターによる内部被ばくの測定へとすすむ木村さんと岡野さんの独自な調査活動を追いながら、一人一人の健康被害を最小限に抑えるために何が必要かを考える。
出演:木村真三(獨協医科大学准教授)、岡野眞治(元理化学研究所)
キャスター:柳澤 秀夫解説委員
ETV特集で、簡易型ホールボディカウンターがでてきたよ。直径10cm、長さ25cmくらいの金属の筒。手に持ってかかえこむだけで内部被曝が測定できて、核種も強さもわかるみたい。すごいね。チェルノブイリでは内部被曝しなかった研究者さんが、何度か福島入りして測ったら内部被曝してたよ。
#ETV特集 福島で市民の人たちがじぶんたちで野菜をもちよってお野菜の汚染をはかってるよ。飯舘村よりずいぶん線量の低いところのものでも、基準値以下とはいえたくさん検出されていて、しんぱいそうだよ。
飯舘村の佐藤健太さん「知らないで不安だったら、知っていて次の対処を考えるほうがいい」。ホールボディカウンターを受ける機会がまわってきて受けにいったら、数値もなにも教えてもらえなくて「だいじょうぶですよ」だけだったの。わざわざ福島から千葉まで検査しにいったのに…。
ホールボディカウンター、検査だけさせて結果を本人におしえないなんて、ただデータをとってるだけみたい。実験みたい。健康診断でもなんでもふつうは結果をおしえてくれるでしょ。なんでだろ…。
ちいさな子のお母さん「今時点でどれくらい内部被曝してるのかだけでもわかれば、気持ち的に違うのに」って。
おまごさんの内部被曝を心配していたおじいちゃんが、簡易型ホールボディカウンターでおまごさん3人の内部被曝をはかってみたら、ちょっと放射性セシウムが出たの。でも体に悪さをしない程度の量だったの。おじいちゃんも少し安心したと思うの。知るって大事だね。
千葉のセンターで測ったときは「だいじょうぶ」だけで結果を教えてもらえなかった佐藤健太さん。簡易型ホールボディカウンターで測ったらかなりの放射性物質が検出されて「今後心配なのは、やはりがんですね」っていわれてた。3月下旬に飯舘村で、防塵マスクつけて外で作業してたって。
汚染調査の木村さん、簡易型ホールボディカウンターでこどもたちを測るときのおしゃべりがすごく自然だったよ。小児科医さんみたいにリラックスさせてあげてた。ご自身もお子さんがいて、汚染と被曝が他人事と思えず、調査を禁じられたから辞職までして調査してる。こども思いなんだね。
二本松市の汚染調査。チェルノブイリなら移住にあたる程度の高汚染エリアがあるって。高線量地域に住んでるおばあちゃんが、夏休みで孫が郡山から遊びにきてるからって、おうちのまわりの毎時3マイクロシーベルトの枯れ草や落ち葉を集めて、なるべく家の遠くへと運んで遠ざけてるよ。
線量計を家族全員が持つ調査。畑仕事をするおばあちゃんのほうが、隣町にいくお母さんよりも被曝する。里帰り出産でわざわざ帰省してきてる娘さんと赤ちゃんが、おうちが高線量なために、ずっと在宅で1週間で66マイクロシーベルト。1年で3.3ミリシーベルト。一般人の基準の3倍。
おなじおうちに住んでいても、ライフスタイル、通る道、いく場所で、被曝量はぜんぜん変わってくる。しかもこどもや赤ちゃんは放射線感受性が高いから、よりリスクが高い。おなじおうちにいても、お母さんはOKだけど、こどもはNGといったことがある。
おなじ小学生のきょうだいでも、野球部に入ってて屋外で部活をするおにいちゃんは1週間に73マイクロシーベルトの被曝、体育館で部活をする妹は65マイクロ。内部被曝も兄は59マイクロ、妹は33マイクロ。行動によって差がある。屋外は砂ぼこりなども吸うし、たぶんそのせいって。
二本松市に里帰り出産してた赤ちゃんの外部被曝は、1週間で64マイクロシーベルト、内部被曝は検査時点で9マイクロシーベルト。おうちの中にずっといても高線量なので外部被曝が大きくて、あとはおかあさんのおっぱいから放射性物質をとりこんで、内部被曝をうけちゃう。
建物によっても放射線の遮蔽率(さえぎる割合)はちがうって。コンクリートの建物だと1/5に、木造だと1/2。
二本松市の、赤ちゃんが1週間に64マイクロ外部被曝してるおうちで、木村さんが指導して除染してる。取り除いた砂利やゴミは土嚢袋400袋、約4トン。ベランダや屋根瓦を高圧洗浄。雨樋にたまった土も除去。そして家の中の線量は半分に。でもこんな除染、素人だけじゃできないね…。
うん。だけど、そこにすむかどうかは結局いまの状況だと本人の決定なんだよね…。木村さんもリスクを伝えていたけど…。 除染しても子供や赤ちゃんが住めるレベルじゃ無い!
monjukun もんじゅ君
#ETV特集 をみて、避難準備区域外でもホットスポット、ホットエリアはたくさんあるし、それを知らずにそこで暮らすひとも多いし、知っても個人レベルでは除染はむずかしい、というのがよくわかったよ。だから、9月上旬に準備区域を解除するのはほんとにだいじょうぶ?ってしんぱいになったよ。
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