この問題は放射性物質を注射してガンなどを探すPET検査で起きたものですが、もともとの原因は、日本の医療関係者が放射線被ばくのリスクをよく知らないことにあるようです。また、「日本は世界で最も放射線の医療被曝が多い」ことが一般に知られていません。
『受ける?受けない? エックス線 CT検査 医療被ばくのリスク』(発行:高木学校)という本に詳しく書かれていますが、エックス線検査による年間の発ガン数(推計)は9905人で、発ガン数全体の4.4%はエックス線検査が原因になっています。
(参考:CTスキャンで 数十年後にがん発症リスク 詳しくはコチラ)
子どもに基準超の放射性物質
9月1日 7時58分 動画あり NHK
山梨県甲府市の市立甲府病院が、放射性物質を使った病気の検査を行う際に、およそ80人の子どもに学会の基準を超えた放射性物質が含まれる薬剤を投与していたことが分かりました。病院は、希望者を対象に健康への影響を調べることにしています。
市立甲府病院によりますと、問題になっているのは「テクネチウム」という放射性物質が入った検査薬を静脈注射して、病気の有無や臓器の働きを調べる検査です。市立甲府病院では、平成11年からことしにかけて、腎臓などの病気を患う15歳以下の子ども、合わせて145人にこの検査を行いました。このうちおよそ80人に対し、日本核医学会の基準を超えた量の放射性物質が入った検査薬を注射していたということです。病院は、この検査を受けた子どもの家族に対し、「心配をおかけし申し訳ない」という内容の通知を送り、希望者を対象に健康への影響を調べることにしています。病院は、「直ちに健康被害が出る量とは考えていないが、子どもは放射線の影響を受けやすいので慎重に判断した」と説明しています。病院は、1日午後、記者会見を開いて、詳しいいきさつを明らかにすることにしています。
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放射性物質を過剰投与 検査で子供84人に 甲府市立病院
2011.9.1 09:33
甲府市立病院(小沢克良院長、同市増坪町)で、平成11年から今年までに腎臓病の検査を受けた15歳以下の患者145人のうち84人に対し、日本核医学会の推奨投与量を上回る放射性物質「テクネチウム」を含む検査薬を静脈注射していたことが1日、同病院への取材で分かった。患者が必要以上の量の被曝(ひばく)にさらされたことになる。
病院によると、日本核医学会の推奨投与量(成人)185メガベクレルを超える量を、検査担当の男性放射線技師が投与していた。腎臓撮影などの検査で、投与量を増やすと短時間で診断に堪える画像を得られるといい、放射線技師は、病院側の調査に「より短い時間で鮮明な画像を得られるよう、多い量を投与した」と説明したという。
病院は保護者と患者本人に個別に事実関係を説明したいとする書面を送付した。同病院の中野博事務総室長は「現時点で健康被害は確認されていないが、子供は放射線の健康被害を受けやすく、希望する方に検査を継続したい」と話している。
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『受ける?受けない?エックス線CT検査―医療被ばくのリスク』のレビュー
気やすめどころか害?健康な人はレントゲン検査は止めた方が無難かも
先日職場の健康診断がありましたが、肺と胃のレントゲン検査を初めて止めました。
レントゲンは放射線で危ないし、バリウムはまずくて嫌だなと思いつつ、ガンを見つけるためには仕方ないと、ずっと受けてきました。でもこの本を読み考えを改めました。
レントゲンでのガン検診は、効果が薄い、寿命が延びたとの証拠が無い。検査で受けた放射線で将来ガンになるかも?CTの放射線は肺レントゲンの400倍も強い。
病院では、薬の副作用は教えてくれますが、放射線の害は教えて貰ったことはありません。
具合の悪い時は、レントゲン検査や放射線治療を受けることも必要でしょう。でも、他の手段はないか、本当に必要かを検討し、なるべく少ない量にすべきでしょう。(英国では実施)
放射線を使わなくても、胃ガンは胃内視鏡、乳ガンは超音波があります。年齢、生活習慣、健康状態に応じて、効果的な方法を選びたいです。気休めでなく、健康で長生きしたいですから。他の本にはあまり書いていない、自分で考え選ぶための情報が載ってます。