「こうして、全国初のプルサーマル発電が開始された」

九電やらせ:佐賀県「仕込み質問」関与か 05年討論会
(毎日新聞 2011年9月20日 7時44分)

 九州電力の「やらせメール」問題で、玄海原発(佐賀県玄海町)へのプルサーマル導入に関する佐賀県主催の討論会(05年12月)を巡り、九電が賛成意見を表明させるために質問者を仕込むことについて、事前に県側と協議していたことが関係者への取材で分かった。九電第三者委員会(郷原信郎委員長)は、県側の仕込み質問への関与の度合いについて調査している。

 第三者委が8日にまとめた中間報告では、九電が社員ら約40人に対し、討論会で推進や中立的な質問をするよう依頼。さらに1カ所に固まらないよう会場内に散らばって座るよう要請していたことが明らかになっている。

 関係者によると、九電は開催前、県との打ち合わせで賛成派の質問者を準備していることを説明。会場の座席表も示し、質問者がどこに座るかも伝えた。やらせ問題発覚後、九電が廃棄しようとした資料の中に、座席表など県との協議を示す資料が含まれていたという。

 討論会には717人が参加し、県が質問者を選ぶ形で18人が質問し、うち7、8人が九電側が用意した質問者だったという。

 ある九電関係者は「県との打ち合わせの場で、(05年10月に開かれた)国主催のシンポジウムで反対派の質問が相次ぎ収拾がつかなくなり、二の舞いは避けたいという話が出た」と述べた。

 玄海原発へのプルサーマル導入について、古川康・佐賀県知事は討論会までは賛否を明らかにしていなかったが、討論会終了後、初めて「安全性への理解はある程度深まったのではないか」と理解を示し、翌06年3月に九電に同意書を提出。09年11月、全国初のプルサーマル発電が開始された。【福永方人】

毎日新聞 2011年9月20日 7時44分

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