今、読み返したい記事 「ノーベル平和賞を受賞した医師団からの警告」

子どもたちを放射能から守るために 再確認したいこと

取り返しがつかない原発事故をひき起こしてしまった私たち大人が、今、やるべきことは、放射能の被害を受けやすい子どもたち(胎児、乳幼児、児童、生徒)を放射能から守ることだと思います。そのための基本は、「外部被ばく」と「内部被ばく」を避けることです。

1、できるだけ、放射能汚染地から胎児、乳幼児、児童、生徒を遠ざけること
2、できるだけ、放射能に汚染された食品や飲み物を体内に入れないこと

チェルノブイリ原発事故を体験したウクライナの基準である「年間1ミリシーベルト」以上の放射能汚染地から今すぐ避難することが難しい場合でも、子どもたちに対して、より影響が大きい飲食による内部被曝だけでも避ける必要があります。(チェルノブイリの医療支援を続けてきた経験から、そのことを強く感じています

1985年にノーベル平和賞を受賞した
「社会的責任を果たすための医師団」からの警告
から抜粋

ワシントンDC発2011年3月23日。「社会的責任を果たすための医師団」(PSR)は、福島第一原子力発電所事故が進行している中で、事故による放射能が日本の食品の中に発見されたという最近の報告に深い憂慮を表明する。確かに、すべての食品には、天然の線源や核実験に由来するものなど、放射性核種が含まれているが、日本のほうれん草と牛乳で検出された、より多くの放射性物質は、人々の健康を危険に晒すものである。PSRは、どのくらいの放射線被曝まで「安全」と考えられるかについて、メディアで誤った情報が流布している点にも注意を呼びかける。

米国科学アカデミーによれば、安全な放射能の線量というものはない。過去数十年にわたる研究から、放射線はどんなに少ない線量でも、個々人の発がんリスクを高めることがはっきりと示されている。

「社会的責任を果たすための医師団」で前代の会長を務めたジェフ・パターソン、オステオパシー医学博士は、「食品経由でも、水経由でも、どのような線源からでも、放射線被曝に安全なレベルはありません」と言う。「ヨウ素131やセシウム137のような放射性核種に晒されると、発がんの発生数が増加します。そのため、食品と水に含まれる放射性核種を最低限に抑えるようあらゆる努力を払う必要があります」。

とりわけ、放射性核種を含んだ食料を摂取するのは危険です。放射性の微粒子を経口摂取したり吸入したりすると、粒子が放射能を保ち続け、その粒子が体内に留まり続ける限り、身体に放射線を浴びせ続けることになります」。「社会的責任を果たすための医師団」理事で医学博士のアラン・H・ロックウッドはこう語った。「日本政府は、原発事故が起きる以前と比べてより多くの放射性物質を含んだ食品の販売を禁止し、影響地域の食品と水の幅広いモニタリングを続けるべきです。さらに、アメリカ食品医薬品局とアメリカ合衆国環境保護庁は、ここアメリカでの食品に含まれる放射性核種に関する既存の規制と基準を強化すべきです」。

日本で危機が続く中、人に発がんの危険が生じるのは最低100ミリシーベルト(mSv)被曝したときだという報道が様々なメディアでますます多くなされるようになっている。これまでの研究で確立された知見に照らしてみると、この主張は誤りであることがわかる。100 mSv の線量を受けたときの発がんリスクは100人に1人、10 mSv では1000人に1人、そして1 mSV でも1万人に1人である。

ある食品の汚染レベルで個々人がガンになる危険は小さいとしても、数千人、数百万人の人々がそのレベルの放射線に晒されるならば、ガンになる人が出てくる。

PSR理事から会長に選出されたアンドリュー・カンター博士は、「放射線の影響は子どもの方がはるかに大きく、ガンになる可能性は大人よりはるかに高いのです」と語る。「ですから、子どもが放射能を含む食品や水を摂取することは特に危険です」

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※ウクライナ「年間1ミリシーベルト以下」 山下教授「100ミリまで安全」

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