<漏れたのはセシウムなどを除去した後の汚染水で、ストロンチウム90などのベータ線を出す核種が残留している。水の表面線量はベータ線が毎時110ミリシーベルト、ガンマ線が同1・8ミリシーベルトだった>
原発汚染水が側溝に漏れる
[2011年12月4日20時55分 日刊スポーツ]
東京電力は4日、福島第1原発の高濃度汚染水を処理した後に淡水化する装置から水が漏れ、コンクリートのひび割れから屋外にある側溝に流れたと発表した。東電は「たとえ海に到達しても、ほとんど影響ないレベル」としている。
東電によると、4日午前11時半ごろ、装置がある建屋内に約45トンの水がたまっているのを発見、装置を停止した。午後2時半ごろには、建屋土台のコンクリート部分から外部の側溝に流れているのを確認。ひび割れから漏れていたという。
側溝は約500メートル先で海につながっているが、水が海に届いたかは不明。東電は、海に流れ出ないよう側溝を土のうでふさいだ。
漏れたのはセシウムなどを除去した後の汚染水で、ストロンチウム90などのベータ線を出す核種が残留している。水の表面線量はベータ線が毎時110ミリシーベルト、ガンマ線が同1・8ミリシーベルトだった。
淡水化装置は、放射性物質を吸着した後の水を蒸発させ、塩分を除去する装置で、今回の装置は1日約250トンを処理。原子炉注水に使う水は確保されており、冷却作業に影響はないという。(共同)