九州電力の玄海原発停止求め提訴へ

玄海原発停止求め提訴へ
(2011年12月16日 10:13 西日本新聞)

 佐賀市の脱原発団体「玄海原発プルサーマル裁判の会」(石丸初美代表)は15日、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)は大地震や津波で事故を起こす危険があるとして、4基すべての運転差し止めを求める訴えを来週にも佐賀地裁に起こすと明らかにした。裁判の会は玄海3号機のプルサーマル発電をめぐり、発電用プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の使用差し止めを求めて佐賀地裁に提訴しており、3号機については追加提訴となる。

 裁判の会は、福島第1原発の事故で、従来の安全基準では安全性の不十分さが明らかになったとして、同じ基準で造られた玄海原発も大地震や津波で大事故を起こす危険があり、運転を止める必要があるとしている。稼働から36年が経過した1号機は老朽化が進み、緊急冷却の際に原子炉圧力容器が破損する恐れがあるとも指摘、運転継続は危険と訴える。原告は全国から募り、既に130人超、提訴までにさらに増える見込みという。

 会は昨年8月にMOX燃料の差し止めを求めて佐賀地裁に提訴。東日本大震災後の今年7月にはメンバーを中心とした約90人で、玄海2、3号機の再稼働差し止めを求める仮処分を申し立てた。石丸代表は「命を奪う危険のある原発に住民は恐怖を感じている。身近な人を守る裁判。全国の原発の運転停止につなげたい」と話した。 (山路健造)

=2011/12/16付 西日本新聞朝刊=


玄海3号機冷却水漏れ ポンプの主軸破断が原因
(2011年12月16日 20:56 西日本新聞)

 九州電力は16日、定期検査中の玄海原発(佐賀県玄海町、出力118万キロワット)3号機のポンプ施設内に放射性物質を含む1次冷却水が1・8トン漏れた問題で、ポンプの主軸が破断して水漏れを防ぐ金属部品が損傷していたと発表した。

 破断した主軸はステンレス製で長さ約2・5メートル、直径6―8センチ。回転してポンプを動かす機能があり、モーター側から約1・6メートルのところで完全に折れていた。折れた主軸が傾いたまま回転を続けたことで、モーター側で回転している金属部品への負荷が強まり、損傷。そこから大量の冷却水が漏れたとみている。主軸は3号機が運転開始した1994年以来、交換していなかった。

 九電は、主要部品である主軸が破断した原因を今後くわしく調査。3号機の安全評価(1次評価)の提出は、調査結果を国に報告した後になる見通し。

 川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1号機でも2008年4月、同様にポンプの主軸が折れる事故が発生。原因を国に報告するまで約2カ月かかっている。

=2011/12/16 西日本新聞=


玄海3号機、ポンプ主軸折れる 冷却水漏れで発見
(2011年12月16日 17:31 西日本新聞)

 九州電力玄海原発3号機(佐賀県玄海町)で9日に1次冷却水の浄化用ポンプの接合部から放射性物質を含む冷却水約1・8トンが漏れた事故で、九電は16日、ポンプの主軸が折れているのが見つかったと県に連絡した。

 九電は9日、浄化装置に設置したポンプ1台の軸受けの温度が、80度以上に上昇したことを知らせる警報が鳴る不具合があったことを県などに連絡したが、水漏れの事実については「浄化装置の外に漏れたわけではない」として発表していなかった。


九電に迅速な情報提供求める 玄海原発水漏れ通報遅れ 県議会決議へ
(2011年12月16日 00:59 西日本新聞)

 県議会総務委員会(山口初実委員長)は15日、九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機で起きた放射性物質を含む1次冷却水漏れを九電が当初公表しなかった問題について審議し、九電に対し正確で迅速な情報提供を求める緊急決議を16日の議会運営委員会に諮ることを決めた。同日の本会議で可決される見通し。

 県危機管理課の吉田慎一企画監が、九電とのやりとり内容を説明。それによると、9日午前11時前に警報が出た後、県には同日午後5時半ごろ、九電長崎支社が電話と電子メールで「警報が発信した」とだけ連絡。翌10日午前9時ごろ、同支社から冷却水漏れについて説明があったという。

 坂谷朝男・危機管理監は九電からの連絡について、「遅いと感じている。なぜ(最初に)水漏れを言わなかったのかと伝えた」と語った。委員からは「九電の誠意のなさに本当にあきれている」「九電の体質について改善を求めるべきだ」といった批判が相次いだ

 緊急決議では、安全協定の早期締結も求める内容となる。

=2011/12/16付 西日本新聞朝刊=

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