福島第一、放出セシウム増 2・3号機の復旧作業原因か
(2012年1月23日23時58分 朝日新聞)
東京電力は23日、福島第一原発から新たに放出される放射性セシウムは、現時点では昨年12月の毎時6千万ベクレルより多い7200万ベクレルとの推定量を示した。2、3号機の復旧作業で放射性物質が舞い上がったことが原因だとみられている。
1号機が200万ベクレル、2号機が2千万ベクレル、3号機が5千万ベクレル。1号機は先月より800万ベクレル下がったが2、3号機でそれぞれ1千万ベクレル上がった。
東電は、2号機原子炉内の内視鏡調査や3号機原子炉建屋内のがれき撤去で、放射性物質を含むほこりが舞い上がったことを理由に上げる。舞い上がった放射性物質は、建屋の屋上などから外に放出されている。新たに放出される放射性物質による外部と内部の被曝(ひばく)線量は、原発から1キロ離れた敷地境界で年間0.12ミリシーベルト。炉の温度は60度以下で冷温停止状態は維持しているという。
放出量は事故当初は毎時800兆ベクレルだった。原子炉が冷やされるとともに7、8月は2億ベクレル、10月は1億ベクレル、11月からは6千万ベクレルに下がった。東電は「建屋内の除染や建屋をカバーやコンテナで覆うまでは数十万、数百万ベクレルレベルに下げるのは難しい」という。