韓国の古里原発、今度は緊急停止 試験運転中の原子炉
(2012年3月24日19時10分 朝日新聞)
韓国の原子力安全委員会は24日、釜山(プサン)市の古里(コリ)原子力発電所で試験運転中の原子炉が給水機器の故障で緊急停止したと明らかにした。同原発では、最も古い1号機の全電源喪失の事故隠しが発覚したばかり。
安全委によると、昨年12月から試験運転中の原子炉で23日夜、蒸気発生器に水を供給するポンプが止まり、原子炉が自動停止した。放射能漏れはないといい、国の機関などが原因を調べている。
古里原発の電源喪失事故が明らかになってから、釜山市議会が政府に「即時廃炉」を求めるなど反発が高まっている。
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原発で外部電源一時喪失 韓国・釜山
(2012.3.13 SankeiBiz)
【ソウル=加藤達也】韓国原子力安全委員会は13日、南部・釜山市の古里原発1号機で2月9日に電源が12分間、完全喪失する事故が起きていたと発表した。原因は不明。安全委は13日、1号機を停止、近く調査団を派遣して原因究明に乗り出す。
原発を運営する「韓国水力原子力」は事故発生を直ちに政府に伝えず、12日になってから報告した。
安全委によると事故当時、原発は整備期間中で、核燃料の交換のため原子炉は稼働を停止していた。施設内では機器類の点検、補修が行われていたが、午後8時半すぎ、緊急時に使われる継電器の試験中に電源が突然、喪失した。非常用のディーゼル発電機も作動しなかった。
炉心は高温で、使用済み核燃料の貯蔵施設と原子炉内は冷却水が満たされ、冷却装置で冷やす必要があった。韓国メディアは電源喪失状態が長時間続けば、炉心溶融(メルトダウン)など深刻な事態に至る可能性もあったとしている。
古里原発1号機は1978年に運転開始した韓国最古の原発。30年の設計寿命の経過後も運転を継続しており、昨年4月には電気系統のトラブルを起こした。昨年の東日本大震災による福島第1原発の事故発生を受けて不安視する声が高まっていた。
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世界へ非核の誓い 韓国で平和大会
(2012年3月25日 西日本新聞)
【陜川(韓国南部)塩塚未】世界の核兵器や原発事故の被害者が放射能の危険性を訴える「陜川(ハプチョン)非核・平和大会」が23、24の両日、韓国慶尚南道陜川郡であり、日本からも長崎、広島の被爆者が参加、核被害の実態を証言した。
在韓被爆者が多く暮らし「韓国のヒロシマ」と呼ばれる陜川で支援活動をする市民団体などが、核テロ対策を話し合う核安全保障サミット(26、27日にソウルで開催)に合わせて開いた。
大会では、長崎市の被爆者、田中重光さん(71)が「真っ白い光を見たかと思うと、爆風で家のガラスがすべて吹き飛んだ」などと証言。韓国や台湾在住の被爆者も、爆心地近くで受けた生々しい被害の記憶などを話した。
福島第1原発事故の被災地から参加した武藤類子さん(58)は、放射能汚染の影響を恐れながら暮らさざるを得ない状況を報告。「放射能被害は福島で最後となるよう、市民が連携して努力していきましょう」と呼び掛けた。チェルノブイリ原発事故の地元や、核兵器実験の被害を受けたビキニ島からも報告があった。大会は「核と放射能のない世界で生きることを願います」との宣言文を採択して閉幕した。
=2012/03/25付 西日本新聞朝刊=