「恒久対策足りぬ」 京滋知事、大飯原発を視察
(2012年04月13日 00時30分 京都新聞)
再稼働手続きが進む関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を視察した京都府の山田啓二、滋賀県の嘉田由紀子両知事は12日、恒久的な安全対策が講じられていないとして「再稼働は急ぐべきではない」と指摘し、あらためて慎重な姿勢を示した。(3、23面に関連記事)
視察後、山田知事は「応急対策が多く、防潮堤のかさ上げなど恒久的対策ができていない。電力需給の内容も第三者委員会による中立的評価が必要だ」と強調した。嘉田知事は「慎重にという基本的姿勢は変わっていない。4閣僚も政治的責任を持つというなら現場を見て多面的に考えてほしい」と述べた。
また、両知事は福井県に対して「福島第1原発事故を受け、われわれも府県民に説明する責任がある。互いに力をあわせたい」と述べ、再稼働の際の同意など原発立地県並みの権限を求めていることについて理解を求めた。
両知事は福島第1原発事故を教訓に取り組んでいる安全対策について説明を受けた後、3時間かけて発電施設を視察。関電との懇談では安全性を強調する同社に対し、福島第1原発事故の原因が究明されていない中での安全性の根拠や、地震・津波の影響調査などについて質問した。