2004年5月18日 ジャカランダ農場から、昨年、お亡くなりになったカルロスさんの三男で現在ジャカランダ農場でコーヒーの有機栽培に取り組むフーベンスさんと、ウインドファームの南米支局長、クラウジオ牛渡が、5月22日の国際有機コーヒーデーに寄せてメッセージを届けてくれました。
ジャカランダ農場でコーヒーの有機栽培に取り組むフーベンスさんからのメッセージ
多くの場合、有機農産物は化学肥料を施さず栽培された農産物として紹介されます。しかし、有機農産物とは、これを遥かに超越するものなのです。オーガニックコーヒーは、その生産過程に「融合」と「相互依存」を有する行程をたどるのです。
私達は、それぞれ支え合い生きています。男性、女性のそれぞれに、支えられ生きています。私達はさらに、大地に支えられ、大地は私達の心遣いに支えられています。
環境のバランスは私達いかんによると同時に、私達は、エコシステムに依存しているのです。私の考える有機栽培とは、フェアートレードとの深く密接な関係を保つ手段でもあります。こうして、農産物に支払われるその対価は、公正に、そして友好的に、全ての生産過程へと分配されて行きます。さらには、有機栽培に必要とされる労働に、威厳を与えるのです。
5月22日は、多くの人々の心に、特別な日として記憶されています。私達はこの日を、オーガニックコーヒー誕生の日として、記憶に留めたいと思います。さらにこの日を、格別の味を誇るコーヒーを思う日として、母なる大地の日として、さらには自然環境保護の日としても、思いを馳せたいと考えています。人々が喜びを分かち合う日、そして子供の日ともすることで、未来を支える素晴らしき彼らと接しようではありませんか。さらには、平等、平和、兄弟愛に満ちた社会を祝う日として心に刻もうではありませんか。
ウインドファームの南米支局長、クラウジオ牛渡からのメッセージです
ブラジル初のオーガニックカフェとして、「テーハ・ヴェルディ」がオープンして4年が過ぎます。この間、テーハ・ヴェルディでは、次の目標をもって、このカフェを運営してきました。
まず、ブラジルにコーヒーの文化を根付かせるということ。ブラジルは世界的なコーヒーの生産国ですが、生産されるコーヒーのほとんどは輸出されています。ですから、本当に美味しいコーヒーは欧米や日本に届けられてしまい、ブラジルでは飲むことができないというアンフェアな現実があり、コーヒーをゆっくり楽しむという文化もあまり根付いていません。また、例えばコーヒーは生産地や収穫年度によって味が変化することなど、コーヒーに関する基本的な情報も伝えていきたいと思っています。
また、自然環境や人を大切にするコーヒーの有機栽培に内容については、その意味だけでなく、有機栽培そのものをブラジル各地で普及させていくことに取り組んでいます。
それは、昨年お亡くなりになったジャカランダ農場のカルロスさんが、人生をかけて取り組んでいた仕事でもあります。カルロスさんが亡くなった当時は、ジャカランダ農場のスタッフや私たちも大変悲しく、落ち込んでいましたが、今では元気を取り戻し、カルロスさんが取り組んだこの大切な仕事を受け継ごうをしています。私も今年になって、パラナ州のカトリック大学で講師として有機栽培の授業を行うようになり、若い学生たちに有機栽培の意味を伝えています。
ブラジルで、コーヒーの有機栽培を広めようという動きは、年々、活発になってきています。私が住むクリチーバ市では、4カ所のカフェで有機栽培のコーヒーが飲めるようになりました。国際有機コーヒーデーとなる5/22には、ジャカランダ農場があるマッシャード市で「有機コーヒーキャピタル(首都)宣言」が行われ、マッシャードをブラジルにおける有機コーヒー栽培の「首都」に育てたカルロス・フランコさんを偲ぶ催しが行われます。また、パラナ州の三カ所で、有機農業をテーマとするイベントが予定されています。
カルロスが蒔いた有機農業の種は、今、少しずつブラジルで芽がでてきます。