コーヒーの歴史(その2)
14世紀、イスラム地域に広がっていったコーヒーは、15世紀にあみだされた焙
煎によって、一般にも普及していきます。1554年には、トルコ・コンスタン
ティノーブルで世界初の豪華なコーヒー店が誕生します。
調度品と装飾に凝った店内は、社交の場としてトルコ人の熱狂的な支持を集め
ました。以後、トルコではコーヒーハウスが急増し、道具やコーヒーセレモ
ニーなどのコーヒー文化が栄え、上流階級だけでなく、庶民にも盛んに飲まれ
るようになっていきます。
トルコから発展したトルコ・コーヒーは、17世紀にヨーロッパに上陸し、ベネ
チア、フランス、オランダ、イギリス、オーストリアとたくさんのコーヒー店
が作られるようになり、17世紀後半にはアメリカにもコーヒーが伝わってい
きます。
一方でそれまでアラビアやイエメンで行われていたコーヒー栽培は、ヨーロッ
パ諸国の植民地へ移っていきます。17世紀半ばにオランダがジャワでコー
ヒー栽培に成功したのを皮切りに、セイロン、インド、ブラジル、ジャマイ
カ、グアテマラ、メキシコなどへと広がっていきます。
コーヒーの消費国である北の国々、コーヒーを作り続ける南の国々・・とい
う構図は、この時代にもう出来上がってしまったようです。
( 『珈琲<コーヒー>』永岡修一、1997年、?永岡書店、
『珈琲事典』富永靖弘、2009年、?新星出版社、 参照 )